テスタストレッタ・エボルツィオーネ
- 掲載日/2008年10月10日【DUCATIエンジンガイド】
- 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
Lツイン史上最強のユニット
テスタストレッタ・エボルツィオーネ
1098シリーズが搭載しているパワーユニット「テスタストレッタ・エボルツィオーネ」は、その名前が示すとおり「テスタストレッタ」をベースに改良を加えた新世代のエンジンユニットだ。1,099cc(1098Rは1198.4cc)まで排気量を拡大されたにとによる最高出力と最大トルクの向上だけでなく、効率アップと軽量化を実現しているのが特長だ。
テスタストレッタのシリンダーヘッドはベースブロックを前後のバンクで兼用とし、ベルト周りの構成パーツを別個に付け加える事で使い分けられていた。しかし、エボルツィオーネではそれぞれが専用設計となり、それら構成パーツを極力一体設計とすることで部品点数を抑え、無駄な贅肉を削ぎ落とすことで、軽量かつコンパクトなエンジンへと変貌している。それに伴い、大径バルブやよりストレート形状となったインテークポートも採用され、ロッカーアームも新設計。また、レーシングマシン級のスペックと言われた特別仕様の999Rを上回る装備が、量産型である1098のベーシックモデルに標準採用され、エンジンブロックだけで約5kgの軽量化に成功。駆動系も徹底的に見直され、トランスミッションやプライマリーだけでなく、スターターギヤにまで穴開け加工が施されるという念の入れ様だ。
この驚くべきハイスペックの陰には、明らかにデスモセディチの存在がある。ドゥカティはMotoGPへの参戦によりコストや製造工程に制限の無いマシン作りが可能になり、そこで培われた最高レベルのノウハウが、エボルツィオーネにもフィードバックされているのだ。これを端的に示しているのがシリンダーヘッド。気筒数こそ違うが、デスモセディチと外観が酷似しており、その深い関連性が窺える。量産車と思えないほど細部にまで手が加えられた、ドゥカティLツイン史上最もパワフルなエンジンと言える。
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