2014 MotoGPレポート第14戦アラゴン DUCATIサーキット情報局

2014 MotoGP #14 Aragon（2019.09.28）

アラゴン GP で、クラッチローが３位に入り今季初表彰台
ドヴィツィオーゾは４位走行中にクラッシュ

スペインのモーターランド・アラゴンで開催された MotoGP 第 14 戦で、カル・クラッチローが今シーズン初の表彰台を獲得した。クラッチローは、雨が降り続く中、アレイシ・エスパルガロ（フォワード・ヤマハ）に僅差の３位でチェッカーを受けた。チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、ダニ・ペドロサ、マルク・マルケス（以上ホンダ）、ホルヘ・ロレンソ（ヤマハ）に次ぐ４番手を走行していたものの、雨が激しくなった 19 周目にクラッシュ、リタイアを喫した。レース中盤から降り始めた雨は、当初は小降りだったが、途中から激しくなり、23 周目まで続いた。これにより、2014 年アラゴン GP は波乱の連続となった。

クラッチローは２列目からのスタート、オープニングラップを８位で終えた後は、エスパルガロやアルバロ・バウティスタ（ホンダ）とバトルを演じた。18 周目にはレイン仕様に乗り換え、３位にポジションを上げた。最終ラップにはエスパルガロを捉え、最終コーナーでオーバーテイクを試みたものの、0.017 秒差で届かず、そのままの順位でフィニッシュした。

３列目からスタートしたドヴィツィオーゾは、ポル・エスパルガロ（ヤマハ）と激しくやり合い、８周目に４位へと順位を上げた。降雨の中でもコースにとどまって周回を続け、上位を行く３名のスペイン人ライダーとのギャップを切り詰めた。しかし、19 周目のターン９でデスモセディチ GP14 のコントロールを失ってハイサイドでクラッシュし、リタイアを余儀なくされた。

RIDER'S VOICE

カル・クラッチロー／３位

「今日はコンディションが味方になってくれたが、条件はみんな同じだ。スタッフのおかげで以前よりも良くなった。ドライでも手応えが感じられた。彼らの仕事に感謝したい。ドゥカティは（今季末で契約が終了する）僕を見捨てなかったし、僕も最後までドゥカティとともに戦っていく。結果に繋がることも、そうでないこともあるだろうが、最後まで戦うつもりだ。最終コーナーで白線に乗ってしまって、コーナー出口でウイリーした。もっと良いタイミングでシフトチェンジしていたら、フィニッシュラインまでにアレイシを捕らえて２位でチェッカーが受けられたはずだ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ／リタイア

「ドライのうちは何もかもうまく行って、４番手を走行していた。雨が降り始めると、上位陣とのギャップを付けることもできた。残念ながら、ターン９でミスを犯した。（コース上の）どこにウエットがあるのかわからずにリアのコントロールを失った。ロレンソに手が届く位置にいたうえ、この周の終わりでマシンを乗り換えようと思っていただけに、余計に残念な結末だ。あの時点では、うまくいったら優勝争いができるとさえ思いながら、様子を眺めていた。今日は多くのライダーがミスを犯した。それを僕らのアドバンテージにしなければならない状況だったと思う。臀部が少し痛むが、ちょっとした打ち身で、骨に異常はない」

ルイジ・ダッリーニャ／ドゥカティコルセ・ゼネラルマネージャー

「カルの表彰台獲得は、本当に喜ばしい。カルはもちろん、スタッフも全力で戦ってきたが、ここまでは困難なシーズンを送っていた。彼はこのリザルトにふさわしいライダーだ。一方、アンドレアのクラッシュは残念だ。良いレースをしていたし、彼にも表彰台のチャンスがあった。アラゴンでは、ドゥカティのマシンが継続的に戦闘力を増しつつあることが確認できたので、今週末は大きな意義があったと言えそうだ。GP14 は、どのセッションでも上位にランクされた。我々の仕事が正しい方向に向かっていることの証明であり、みんなが自信を深めることができた」