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進化を続けるAELLAのパーツはすべてのライダーのためにある
取材協力/AELLAドゥカティ京都  取材・文・写真/モリヤン  構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
掲載日/2015年04月17日
外国製スポーツバイクの操作性や乗り味を日本人ライダーに合わせてセッティングする。それが AELLA のコンセプトである。そのフィニッシュも繊細で丁寧だ。今回は、さまざまなフィッティングパーツの使い心地をユーザーの目線からレポートしてみる。

INTERVIEW

男女二人のライダーから
率直な意見を聞いてみた

インタビューの会場は、ドゥカティ京都。AELLA のパーツを開発・プロデュースし、製作するのはカスノモーターサイクルだが、このドゥカティ京都もまた同社が母体となっているディーラーである。つまり、ドゥカティの専門店が AELLA のお膝元に存在するということであり、ユーザーの声は直接パーツ開発へと届く。特にドゥカティのパーツラインナップが豊富な AELLA にとって、それはとても重要なことなのだ。

AELLA が最初のパーツ(ステップキット)を製作してから 23 年。カスノモーターサイクル代表の糟野 雅治さんは、元国際レーシングライダーで、ライディングにおける操作フィーリングやライディングポジションには徹底的にこだわるタイプ。レースの世界では当たり前のカスタマイズを外国製スポーツバイクで実践した。それが AELLA の製品群である。

日本人の体格や乗り方、バイクの使われ方を考慮したパーツ開発は、基本的にユーザーサイドに立った視点で考えられている。そして、その品質とアフターケアを万全にするということも大きな特徴である。たとえ転倒などのアクシデントでパーツの一部だけが破損しても、細かく修理することが可能。これは海外製のパーツでは、まずあり得ない AELLA だけの特典とさえ言えるだろう。

インタビューに応じてくれたのは、モンスター1100EVO が愛車の飯田 直生さんとモンスター796 が愛車の森 比奈さん。飯田さんはすでに AELLA 製品を装着しているライダーである。森さんは現状ではまだノーマルの車両だが、今後は乗りやすさを追求する意味でも、AELLA のパーツに興味があるという活発な女性ライダーだ。

ーまず飯田さんにお聞きしますが、どんな AELLA 製パーツを装着していますか?

「交換したのは、ハンドルバー、フロントのアクスルシャフト、ステップ、リアサスペンション、内圧コントロールバルブです」

ー愛車は初めてのドゥカティなのでしょうか。

「いや、2台目ですね。以前は空冷のモンスターに乗っていました。高校生のころからバイクが好きで、国産車をいろいろ乗り継いだ後、スタイルが好きなモンスター800 を安く中古で手に入れたんです。自分でメンテナンスしながら乗っていて、その時期からドゥカティ京都に通うようになりました。そして空冷モンスターがラインナップから消えると聞いて、このモンスター1100EVO を購入しました」

ーパーツ交換の理由を教えてください。

「僕は長距離ツーリングも楽しむライダーなので、自分の体格に合ったライディングポジションの調整と、操作フィーリングの快適さを狙ったパーツチョイスですね。荷物を積んでキャンプツーリング等にも行くので、乗車姿勢の適正化は重要なファクターでした」

ー内圧コントロールバルブの効果はどうですか?

「スロットルオフの減速時に急激なエンジンブレーキがかからず、エンジンがとてもスムーズな印象になりましたね。だからブレーキングに集中できる。加速時も扱いやすくなりました」

ー森さんのバイクライフを聞かせてください。

「ウチは両親がライダーなんです。一時は降りていたので、リターンライダーですね。父親は BMW に、母親はハーレーに乗っています。でも、私がバイクに乗ることは反対していて、高校時代には乗れなかったですね。一つ間違えば危ない要素を含んでいる乗り物だということをわかっている二人だから、私が未成年だったころは、反対という立場をとっていました」

ードゥカティは初めてのバイクなのですか?

「いえ、母親が乗っていたヤマハのドラッグスター250 が最初です。母がハーレーに乗り換えるというので、21 歳のときに譲ってもらいました。大型二輪ならハーレーかなと思った時期もありましたが、もっとスポーティで速いバイクにも乗ってみたかった。それで、以前からスタイルが好みだったドゥカティのモンスター796 を購入したんです」

ー森さんの愛車はまだすべてノーマルですが、交換したい AELLA 製パーツはありますか?

「足つきに少し不安があるので、リアサスペンションは交換したいですね。でもスプリングはオーリンズのイエローが好みなので、どちらにするか悩みますね。それから、ハンドルバーとレバーも AELLA のパーツに交換したい。ノーマルのハンドルバーは私には幅が少し広くて、なおかつ先端の絞りが足りないイメージですね。レバーは、立ちゴケして折ってしまったから、やっぱり可倒式のレバーというのはとても魅力がありますね」

PICKUP PRODUCTS

実際のライディングポジションと
操作フィーリングを検証する

AELLA の製品は、ほとんどが自社工場で製作されている。マシニングセンタなどの精密加工機械を使用したきめ細かいパーツ製作は、その製品精度も折り紙つき。品質の高い製品に仕上がっている。特にライディングポジションを決定する機能パーツの精度や調整幅の広さは、ほかに類を見ないものだ。人それぞれに体格の差があるのに、バイクの操作系が単一で良いはずがない。そのために考え、開発されているのが AELLA の製品群なのである。近年は、そんな機能優先のパーツに加えて、愛車のワンポイントアクセントにもなるスライダーや各種カバー、フィラーキャップなども販売。その高品位なデザインワークは、ドレスアップパーツとしての価値も高いのだ。

ドゥカティ京都のモンスター1200S に AELLA のパーツを装着したデモ車両。変更点は、ハンドルバー、ブレーキ&クラッチレバー、ブレーキ&チェンジペダル、ステップバー、各部のスライダー等。また同時に、フェンダーレスキットによってスタイルアップさせている点も見逃せない。

モンスターシリーズ伝統の低く構えたモンスター1200S のノーマルハンドルは幅も広く、バーエンド内側の絞りが少ないことが特徴である。

AELLA のハンドルバーは、日本人の体格とツーリングでの乗りやすさを考慮した幅と絞りが与えられていて、とても使いやすい形状となっている。

形状の凝った作りのノーマルステップは、デザイン的に評価が高いものの、雨天時などで滑りやすいデメリットがある。そしてポジションの変更はできない。

ペダル位置とステップバー位置の両方がそれぞれフルアジャスタブルとなっている AELLA 製のパーツ。質感、剛性ともに高品質である。

ステップとペダルの位置を前方に変更する。ボルトを緩めて、任意の位置まで回転させて変更し、再び固定するだけの簡単操作で微調整できるのだ。

ブレーキ側だけでなく、もちろんチェンジペダル側もアジャストできる。これは飯田さんに合わせたステップとペダル。足のサイズは 26cm ほどだ。

森さんの足のサイズは 23cm である。シフトアップ&ダウンが最も操作しやすい位置にステップとベダルが細かくセットアップされている。

モンスター1200S のノーマルリアサスペンションは、オーリンズ製。フルアジャスタブルの高級品だが、通常の市街地走行にはバネレートが少々高い。

10車高をシート位置で約 10mm 下げ、バネレートを動きやすい軽さにセッティングした AELLA(BRORA)のリアサスペンション。赤いスプリングが特徴である。

11すべてがノーマルのモンスター821 に跨る森さん。足つきに不安があるほどではないが、上半身とハンドルとの位置も含めて緊張した姿勢になっている。

12リアサスペンションとハンドルバーを AELLA 製に変更したドゥカティ京都のモンスター821 では、足つきの不安が緩和され、肩の緊張感も少し和らぐ。

13幅の広めなモンスター1200S のノーマルハンドルバー。伝統の形状だが、日本人の体格と合っているかは疑問。特に女性には緊張を強いるポジションとなる。

14ただ幅を狭めるだけではなく、内側への絞りも増した AELLA オリジナルのモンスターシリーズ用ハンドルバーは、やはりライダーをリラックスさせる。

15森さんが、ぜひ装着したいという可倒式レバー。指がかりの形状もやさしく、内部にベアリングを組み込んで操作フィーリングを向上させたパーツである。アジャスターの操作範囲も広いので、さまざまな手の大きさにフィットする。

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