第20回 再び蘇る日まで、さらばバードカ号!
- 掲載日/2010年11月30日【それでもムルティを買いました!】
- 取材協力/ドゥカティ横浜
再び蘇る日まで、さらばバードカ号!
変わり果てた姿…
バードカ号と衝撃の再会
それは、徐々に寒さが感じられるようになってきた10月末日のことでした。全日本ロードレースを観戦した鈴鹿サーキットからの帰り道、高速道路のパーキングエリアで食事をしていると突然携帯電話が鳴り…。話しを聞いてみると、なんとバードカ号が取材中に転倒したとのこと。乗っていた編集部員は検査のため入院したものの、とりあえず無事らしいということでホッと胸をなで下ろしたのですが…。バードカ号の状態はその時点で不明。自走は厳しい状況なので、近くの飲食店に預かってもらっているというのです。
1日検査入院した編集部員は翌日出社。直接話しを聞き、少しずつ状況が分かってきました。転倒は完全なる単独で、どうやらUターン直後に路肩付近に設置してあったキャッツアイを踏んで転んでしまったらしいとのこと。ただし、転倒したはずみで頭を打ち意識が朦朧としたため、その後車体がどうなったかなどの詳細な記憶が飛んでしまっている状態。ライダーが無事であったことは不幸中の幸いで心から「良かった…」と思ったものの、それを確認してから気になるは、やはり車両の状態。ライダーが転倒直後に頭を打っていること、自走は不可能な状態であることなどを考え合わせると、バードカ号にも相当なダメージがあることが予想されました。
数日後、ようやく会社に引き上げてこられたという報告を受けバードカ号と再会してみると…。しばらくは言葉が出ませんでした。おびただしい亀裂が入ったフロントカウル、もぎ取られたようなスクリーン、脱落したミラーやレバー、折れたメーターステー、激しく横滑りした痕跡を残すリアタイヤ…。落ち着いて観察してみるとハンドルストッパーも無事で、フレームやエンジンなどに深刻な被害も無い模様。しかし、フロント回りを中心とした損傷は相当なもので、堅牢なアルミ製アッパーカウル&メーターステーなども折損していることから、ステアリング周辺にかなりのストレスが掛かったことは明白。詳細に検査すれば致命的なダメージが見つかる可能性もあると思われます。もちろん、少しずつ修復していきたいという希望はありますが、それにはかなりのコストと時間を要するというのが私自身の見立てでもあります。そんなことから、とても残念ではありますが、連載記事としては今回をもって終了するという決心をした次第です。
思い起こしてみれば、バードカ号ではいろいろなことがありました。この長期レポートのテスト車両としてはもちろん、時にはツーリングの相棒として、時には取材時のアシとして大活躍。しかし、購入直後にキャンプ場で私が立ちゴケ、その後編集部員が代わる代わる取り回し中に倒し…。そして、そのクライマックスが昨年10月のエンジンブロー、フロント側シリンダーをごっそり交換して長い入院生活からの復帰…。決してバードカ号を乱暴に扱っていたわけではありませんが、気がつけばピカピカで納車されたバードカ号も満身創痍の状態。長い入院生活からの復帰後は、これでさすがにバードカ号の厄年も終ったことだろう…と考えていたのですが…。何があっても2万キロまでは走ろうと心に決めていたのですが、どうやらバードカ号のオドメーターは1万8175kmで“とりあえず”その動きを止めることになりそうです。これまでこのとりとめのないページを読んでいただいた読者の皆様、本当にありがとうございました。なお、最後となりましたが、路面温度が低下するこれからの季節、くれぐれもドゥカティスティの皆様は安全運転を。
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