バイクで走るという行為を考えると、マシンはもちろんのこと身に付けるライディングギアも機能部品と見なすことができる。そのライディングギアの機能面を突き詰めて、安全性を追求し続けているメーカーがイタリアのダイネーゼだ。世界トップレベルのレースからストリートまで、あらゆるシーンで支持されるダイネーゼの魅力を、プロフェッショナルライダー高田速人が語る。
世界のトップライダーに愛され続けているライディングギアのトップブランド、ダイネーゼ。日本国内でも愛用者は多く、世界耐久選手権の活躍などで知られるレーシングライダーの高田速人さんもその一人。高田さんはレーサーとしてはもちろん、ライディングのインストラクターとしても各地のスクールやイベントで活躍。マシンの分析能力を活かして、ジャーナリストとしての活動も行なっている。その高田さんに、プロライダーの厳しい目線から、ダイネーゼの魅力について語ってもらった。
「昔から興味があったというか、憧れのブランドでしたよね。自分は年齢的にフレディー・スペンサー(1980年代の名レーサーで、ダイネーゼのレーシングスーツを愛用。1983年、当時世界最年少でWGP500チャンピオン獲得。1985年はWGP500 、WGP250のダブルタイトルに輝く)直撃世代ですし……。ヨーロッパの高級ブランドというイメージもありましたし、自分が着られることになったのは、やっぱり嬉しかったですね」
と、ダイネーゼとの出会いを語る高田さん。プロのレーシングライダーにとっても憧れの存在、それがダイネーゼというブランドのようだ。高田さんはレーサーとしての着眼点で、こう続ける。
「革の裁断の仕方が特徴的ですよね。独特の面の取り方をしていることが解ります。そのせいか、着心地はかなりタイトです。正直なところ、ダイネーゼのレーシングスーツは、着る時も脱ぐ時もかなり面倒なんです。でも、着ている時の身体の動かしやすさは素晴らしいものがあります。
わかりやすいところだと膝のプロテクターがあります。走っていて膝のプロテクターがズレることがない。小さなことかもしれませんが、意外に気になる部分です。バイクに例えるのなら、ブレーキレバーの角度とかそういった部分でしょうか? 小さな違和感が積み重なることで、乗りにくさを感じることってありますよね? ダイネーゼは、そうした違和感が皆無なんです。
全日本選手権、鈴鹿8耐など、国内トップレベルのレースで活躍した実績を持つレーシングライダー。耐久レースの世界最高峰、世界耐久選手権ではドイツのチームから招聘を受けレギュラーライダーとして参戦。バイクのタイヤとメンテナンスの専門店8810R(TEL 047-710-0615)代表。
ブーツもお勧めですね。フィット感と操作性が抜群にいい。現代のバイク用ブーツは、プロテクションを重視し過ぎて動かしにくくなっているものもあります。ダイネーゼはプロテクション性能を十分以上に確保した上で、操作性に優れています。自分は街乗りでも、レースと同じブーツを使っています。それぐらい快適なんです。バイク用のブーツはソールの硬さが重要で、柔らか過ぎても、固すぎても、操作性が悪くなるし疲れます。その点、ダイネーゼのブーツはソールの硬さが絶妙です。
一つのメーカーがブーツとレーシングスーツを作っていることは大きいと思います。ブーツとレーシングスーツの機能を連携させることで、動きやすさや安全性を高めることが出来るのだと思います。ファッション性だけでなく、機能的な意味でもトータルコーディネイトできるのはダイネーゼの強みでしょう」
ダイネーゼのポリシーに「From Head to Toe」という言葉がある。これは、文字通り”頭からつま先まで”バイクに関わるギアを全てダイネーゼが用意するという意味。ライディングギアの総合メーカーだからこそ実現可能な、高い性能と安全性なのだ。
高田さんは、ダイネーゼを実際にレースで使用した経験から、こんなエピソードを語ってくれた。
「初めてレースで使ったのは、2015年のル・マン(24時間耐久レース)だったんです。違いに気づいたのは、レース後のことでした。24時間耐久は、やっぱり身体に厳しいんですよ。それが、ダイネーゼのレーシングスーツを着て走った2015年は、レースが終わった後の疲労度が段違いに少なかったんです。これは凄いと思いました。
幸いなことに、ダイネーゼを着るようになってから一度も転倒していないので、D-Airの効果を体感していないんです。でも安心感は絶大ですよね。D-Airのレーシングスーツと、エアバッグ無しのレーシングスーツが並んでいたら、自然とD-Airを選んでしまいます」
D-Airは、ダイネーゼ独自のバイク用エアバッグシステム。そのプロテクション性能は世界最高レベルで、MotoGPライダーのヴァレンティーノ・ロッシも、D-Air無しではレースを走れないと言うほどだ。世界のトップライダーから絶大な信頼を得ているダイネーゼのライディングギア。その性能と安全性の高さはレース用、ストリート用を問わない。あなたも世界が認める安心と安全を、身にまとうことができるのだ。
ダイネーゼの創立は1972年。レーシングスーツに代表されるライディングギアの総合メーカーであり、「一人でも多くのライダーの命を守る」ことをミッションに掲げ、何よりライダーの安全性を重視した製品造りをポリシーとしている。バイク用ギアの安全装備は、ダイネーゼによって生み出されたものが多い。今では一般的な装備となっているバックプロテクターやレーシングスーツのハンプ(背中の膨らみ)、グローブの固定プロテクターやレーシングスーツのスライダーなどは、全てダイネーゼの発明品だ。その最新アイテムとして話題となっているのがD-Air。無線式のバイク用エアバッグで、そのプロテクション効果は絶大だ。ダイネーゼの製品は、性能だけでなくデザイン性にもこだわっている。ファッショナブルで安全なダイネーゼのライディングギアに注目、ここでその最新コレクションの一部を紹介しよう。