スーパースポーツ900SS
- 掲載日/2017年03月22日【カスタムDUCATI】
- 記事提供/『VIRGIN DUCATI』 Vol.04(2014.08.04発行)
アルミのオーバルパイプが魅せる造形美
国内コンストラクターが生み出したスペシャル
ミニモトでカスタムを楽しんでいるユーザーの中には、ご存知の方も多いオーヴァーレーシングプロジェクツのオリジナルフレーム。その歴史を溯ると、1985年の鈴鹿8耐に出場したレーサーに行き着く。それはオーヴァーレーシングが製作したオリジナルのアルミフレームにホンダの4気筒が載ったもので、OV-01と名付けられた。その後、いくつかのレーサーが製作された後、90年にリリースされたモデルがドゥカティのLツインを積んだOV-10ブリオで、フレームは、アルミのオーバルパイプを使ったトラスフレームに、パンタ系のLツインを搭載していた。その発展・市販型となるモデルがここで紹介するOV-10Aである。
基本をOV-10と同じくするアルミオーバルフレームの美しさは「どのOV号でもいつも心奪われるのは、アルミオーバルフレームの美しさだ。特にこの10Aでは、エンジン下部から真上に伸びたエキパイの取り回しが、あたかもフレームの造形を彩っているようで、そのオリジナリティには目を見張るばかりだ」と絶賛されたものだ。
このオーヴァーレーシング製の一連のフレームは、レースフィールドで開発されてきたもので、スポーツ走行はもちろんサーキット走行まで見据えた剛性がしっかりと確保されていることも特徴。それでいて車両重量は、フレームに合わせて設計されたアルミタンクを含めてノーマル比10kg減という軽量に仕上げられていた。搭載されるエンジンは、91年のスーパースポーツシリーズ、900SS/SL系の904cc。フロントやリアの足回りもノーマルから流用できるよう設計されていた。
このOV-10Aはフレームをメインとしたキットの他にコンプリートモデルを199万円で販売した。その価格は、同じ900SS系エンジンを積むビモータのDB2SRが198万円だったことを考えれば、決して高いものではなかったはずだ。
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