VIRGIN DUCATI | 誰でも速くなる!? 大幅進化の新型フラッグシップ! DUCATI(ドゥカティ)ニューパニガーレV4プレス発表会 トピックス

誰でも速くなる!? 大幅進化の新型フラッグシップ! DUCATI(ドゥカティ)ニューパニガーレV4プレス発表会

  • 掲載日/2024年10月11日【トピックス】
  • 取材協力/ドゥカティジャパン 取材・文・写真/小松 男 
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ドゥカティのフラッグシップスポーツモデルであるパニガーレV4が第7世代に進化し登場した。国内での販売が待たれる中、先だってプレス向け製品発表会が開催されたので、その様子をお伝えするとともに、新型パニガーレV4の内容を考察していきたいと思う。

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新型パニガーレV4プレス発表会は、イタリア大使館内で行われた。同日夜にはイタリアンスポーツデイも開かれ、ドゥカティで戦うMotoGPライダーたちが登場した。

世界最強のレーサーレプリカを
お金を出せばだれでも買える!?

ドゥカティのモデルレンジはムルティストラーダやスクランブラーなど幅広いものとなっているが、真骨頂と言えるのはやはりフラッグシップスポーツモデル『パニガーレV4』だ。その裏には長年続けてきたレース界での挑戦があり、その結果がしっかりと反映されている史上最強のロードバイクであるという自負をドゥカティが持っているからである。

歴史を振り返れば80年代に誕生した初代スーパーバイクモデル851の登場に始まる。その後進化を続けながらWSBKで大活躍を見せ、次はロードレース最高峰の舞台であるMotoGPに参戦、2007年にはケーシー・ストーナーが年間チャンピオンを奪取。いよいよドゥカティ=ロードレース最強の図式が確立されることとなる。

ツインエンジンを採用していたパニガーレにV4エンジンを搭載したモデルが登場したのは2018年のことで、その後2020年にウイング装着、2022年シャシー及びディメンションのリセッティングなどの変更が加えられてきた。そして2024年、その集大成といえる大進化版の新型パニガーレV4が発表されたのだ。

MotoGPの(WSBKも)常勝モデルであり乗れば勝てるとライダーが確信するドゥカティ。つまり地上最強のレーサーレプリカが今誕生したのである。

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新型パニガーレV4は、どうしても両持ちタイプとなったスイングアームに目を奪われがちだが、実はメインフレームのフロント周りの肉薄加減が半端ではない。これでフロント周りを支持するのだからすごい。

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新型パニガーレV4に乗れば、どのようなスキルのライダーでもラップタイムを縮めることができるという説明がされた。パワフルであることだけでなくライダーの意思に対し従順に走ることこそがポイントとなっている。

個人的な注目ポイントは
剛性力の適正化!!

新型パニガーレV4の開発目標とされたのは、ラップタイム、従順さ、スキルブースターという3点だった。どれも分かりやすいキーワードではあるのだが注目したのはスキルブースターという言葉であり、これまでのどのバイクよりも高い次元で走らせることができるため、その結果としてライディングスキルが向上するということである。

『Easier to Faster』。つまり、より簡単により速く。明確であるこの目的を果たすために手を加えたことは多岐に渡るものだが、新型パニガーレV4を見て、多くの人が注目したのはスイングアームが両持ちタイプとなったことだろう。しかも実物を見るとかなり肉抜きがされており、それは耐久性すら心配になってしまうほどだ。なお外観上は見えない部分であるがメインフレームのフロント周りも肉薄であり、ハードブレーキング時にフロントタイヤ、サスペンション、トリプルツリーと圧し掛かってくる衝撃にどうやって耐えるのか疑問に思える。

ただ、むしろ傍から見るだけでもそう思えるほどあえて剛性力を引き下げているのだ。従来モデルと比較して、スイングアーム単体での横方向の剛性は-37%、フロントフレームの横方向剛性は-40%。大きく言えば半分近くまで横方向剛性を下げているのだ。これはハンドリングなど別次元になっていると思われ、”実際に走らせてみたい!” と心底感じさせる大きな変更点だと言える。

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スタイリングはマッシモ・タンブリーニの手によって生み出された名機916をオマージュしているという。エアインテークの移設やウイング設置場所の適正化も施されている。

「PANIGALE V4S」は
414万1000円!! 買い得感あり!!

私の場合はフレーム及びスイングアームの剛性力軽減に着目したが、新型パニガーレV4のフューチャーポイントは多岐に渡る。

例えばスーパーバイクモデルに付き物である熱問題。太くされたフェンダー形状やラジエーター上部のコンベアの改良により、オイルクーラーをはじめとした冷却システムの高効率化や、さらに車体内に走行風を流し込み、熱気をシート下から排出させるなどかなり凝った工夫が施されている。幅が広げられたシート、対してステップは左右10mmずつ狭くされるなど、ライダーが操る重要な部分も改良が施されている。

多くの場合このような製品説明会の後、試乗へと移るのだが、今回に限っては開催場所がイタリア大使館内だったということもあり説明のみとなった。つまり蛇の生殺し状態となった。

2024年末には国内デリバリーを開始できるよう調整中だと言う新型パニガーレV4。スタンダードモデルの価格は323万9000円、オーリンズ製電子制御式サスペンションや鍛造アルミホイール、リチウムバッテリーなどが採用され、よりしなやかかつ軽量な上級グレードとなるSバージョンが414万1000円ということが発表されている。

MotoGP最強のレーサーレプリカであることを考えると割安とすら感じてしまうがいかがなものだろうか。

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フロントアッパーカウルの下にエアインテークを移設している。ここからダイレクトにフレーム中央のエアクリーナーボックスへと走行風を流入させるうえ車体各部へも風を送る。

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サイドカウルに上下ふたつに分けられたスリットは、ラジエーター、オイルクーラーに受けた風の出口となっている。風(空気)の動きの見直しも新型パニガーレV4の大きなポイントだ。

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ウイングはより車体前方に移設されたことで、効果を引き上げている。デザインの一部として上手く取り入れられていることもあり、これまでの後付け感も薄れている。

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噂の両持ちスイングアーム。見た目からして軽量な印象を受ける。横方向の剛性力は-37%!! 以前他社のスーパーバイクモデルのスイングアームで軽量化により開いてしまうという話を聞いたことがあるので耐久性も気になるところ。

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上面がフラットなラインとされた燃料タンク。ライダーが伏せた時にヘルメットが収まるように、タンクキャップ前にポケットが用意されているのも興味深い。

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「MotoGPやWSBKでの最大の進化はタイヤにある」これが開発者の意見だ。裏を返せばタイヤの進化に合わせて車体を作らなければならない。新型パニガーレV4で注目すべきはワイド化されたフロントフェンダーにもある。空力特性の最適化だけでなくスリックタイヤも使用できるようにされているのだ。

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もはや戦闘機であるのだが、美しさもしっかりと併せ持つ新型パニガーレV4。サーキット走行がベストだが、ナンバーを取得しリーガル的に公道を走ることができる地球上最強のロードスポーツモデルである。

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