750F1
- 掲載日/2011年10月20日【カスタムDUCATI】
- 記事提供/『DUCATI Campione Del Mondo』 Vol.06(2003.07.31発行)
F1レーサーでサーキットを席巻する
色褪せない潜在能力を証明した1台
サンデーレース好きのドゥカティオーナーにとって、身近なクラスのひとつが、空冷2気筒エンジンを積んだマシンで戦う ACT (エアクールドツイン)。事実、F1サイリーズが全盛だった十数年前のサンデーレースでは、F1 改レーサーがサーキットを席巻していた。
しかし 900cc のSSが登場し、ビューエルなどが台頭する現在、いかに軽量コンパクトであるとはいえ、750ccで ACTクラス上位に食い込むことは難しくなり、ついには ACTクラスでF1を見ることはほとんどなくなってしまった。
ところが“今だからこそ”と、F1ベースにACT制覇を目論むチームもある。徳島県の中川勝喜さん製作のこのマシンは、パンタ750 F1レーサーのイメージを壊さない範囲で、国産車の純正パーツを流用しつつ製作された。
多くの部分は中川さんが DIY 精神で流用加工&取り付けを行い、シェイクダウンとなった2002年のモトルネJAPANのACTクラスでは750cc最上位の10位でゴール。今年5月のストリートカフェトロフィー、エバーグリーン・ユーロクラスではポール to ウィンを飾るなど、一線級の潜在能力を予感させる走りを見せてくれたのだ。
さらなる戦闘力アップのためのモディファイを行う彼らにとって、F1はまだまだ楽しめる相棒として活躍しそうだ。
カスタムの詳細をチェック!
クラシックな年式に入りつつあるF1だが、メーターはモダンなスタック製を装着。フルスケール10000rpmでは振り切ってしまったので、レース後13000rpmのものに交換した。
ベースモデルが1985年式のI型のため、クラッチは湿式。しかし機械式のGPM製乾式クラッチセットがあるので交換する予定。シリンダーはノーマルだが、ピストンをオメガ製、カムをNCR7番、ヘッドは III 型改のツインプラグ仕様としている。
フロントフォークは86年式(ぐらい)のTZ250用を、トップブリッジ、三ツ又とともに流用。インナーチューブにはアダプターをかませて延長してある。鋳鉄ローターなどブレーキ周りもTZベース。
マフラーはメーカー不明のチタン製だが、今後ベルリッキのようなショートタイプに変更する可能性もある。
リアサスはオーリンズ製。チラリと見えるシートカウルはメーカー、ブランドとも不詳だが、燃料タンクはI型純正のアルミ製。
タイミングベルトのループの隙間にツインプラグ用のプラグキャップが見える。ベルトスプロケットカバーは中川さんお手製だが、あまりお気に入りではない様子。
キャブは FCR Ф41。フロント側は燃料コックとの干渉、リアはインマニのショート化などの追加工を行なった。
リアホイールにもTZ250用パーツを流用。ホイールサイズはF3.50-17、R4.75-17。
行き場をなくしたバッテリーは、スイングアーム下で低重心化に一役買っている。
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