VIRGIN DUCATI | スーパーバイク999S カスタムDUCATI

スーパーバイク999S

  • 掲載日/2011年06月23日【カスタムDUCATI】
  • 記事提供/『DUCATI Campione Del Mondo』 Vol.07(2004.02.27発行)
スーパーバイク999Sのカスタム画像

カーボンパーツを全身にまとい
より完成度の高い999として魅せる

好みに合うか否かは別として、見る者すべてに強烈なインパクトを与える999シリーズ。916の登場時にも同様の衝撃はあったが、見慣れるに従ってカッコイイと評されるようになったように、徐々にこのデザインも人々のあいだに浸透しはじめている。それと同時に、カスタム素材としての999も、さまざまな手法によって料理されるようになってきた。

ライディングハウスが手がける999は、特徴的なボディデザインはそのままに、全身黒ずくめの迫力のカーボン外装(CFRP)を装備しているのが最大の特徴。材料となるカーボン繊維とはその名のとおり、カーボン=炭素化合物の糸を薄い繊維状に編み上げた高機能素材で、この繊維に樹脂を染み込ませて成型・硬化させるとカーボンパーツとなる。FRPのガラス繊維に対して、カーボン繊維は高強度で軽く、さらに製品化した際にカーボン繊維の織り目が独特の表情を生み出す。そのため塗装が前提とFRPがガラス繊維なのに対し、成型した状態のまま無塗装でカーボン繊維を見せる味わい方ができる。ちなみにカーボン繊維の編み方には平織りと綾織りというふたつの方法があり、どちらを使うかによって製品の見え方が異なってくる。

また機能面で言えば、樹脂を繊維で補強する構造から、同じ形状のパーツを成型する際に使用する樹脂の量を減らすことができる。つまり軽量化できるのも魅力だ。特にレースユースに用いるマシンの場合、軽量化は必須の作業であり、この点でもカーボンパーツは常に注目されているのだ。またドゥカティに限って言えば、純正外装パーツの価格がとても高価なため、いわゆる補修用パーツとしての役割も見逃せない。

ライディングハウスが製作した999用カーボンパーツは、平織りのカーボン繊維で製作されており、面積の広いサイドパネルも継ぎ目のない1枚もので張り込まれている。たとえカーボン製であっても、織り目の方向や繊維のつなぎ方によっては見栄えが大きく左右されるので、これは重要なポイントである。

レーシング使用のアッパーカウルは、WSBK仕様の999F03と同様、ライト部分が塞がれている。だが、999の電装系がすべて集約されたライト&メーターマウント部のキャストパーツは使用できるので、普段は街乗りも楽しむサンデーレーサーにとっても有り難いはず。もちろん、ライトホイール付きのストリート用アッパーカウルを選べば、この迫力のスタイルを公道でも楽しめる。

完成度が高い999だからこそ、ノーマルデザインを踏襲したカーボンパーツ装着の効果は絶大と言えるだろう。

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ブレーキ、クラッチのマスターシリンダーは専用デザインのラジアルポンプタイプ。そのマスターシリンダーのキャップに合わせて削り出されたマスターキャップ。
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スタンダードの999はリアにインナーフェンダーを持たず、WSBKマシンもそれほど長くない。このカーボンリアフェンダーは一般走行時にも効果のある長さが確保されている。
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エボルツォーネガンメタリック仕上げのハイライドステップキットは、ブレーキペダルのピボット位置をステップバー下に持ち、リンク&ロッドでリアマスターを操作する。
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タンク下に見えるテスタストレッタエンジンのタイミングベルトカバー。スタンダードではのっぺりとした黒い樹脂パーツだが、カーボン製カバーの装着で精悍さをアップ。
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フロントフェンダーとともに、999で特徴的なフロントデフューザーもカーボン製。カウルはスタンダードのまま、ここだけブラックアウトするのも効果的だ。
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オリジナルのフルエキゾーストシステムにセットされるカーボンヒートガード。こうした部分のこだわりが全体の印象をアップする。
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アルミ削り出しとはひと味違った、有機的な曲線が魅力的なカーボンクラッチカバー。レーシングイメージを想起させる、開口部の大きなデザインを採用。
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シートカウルはスタンダードのシートスポンジを使用できる。さらにここでは、別売りのマフラーヒートガードも装着している。
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WSBKマシンの999F03に似たデザインのフルチタンエギゾーストシステム。レーサーと同様のカーボンマフラーヒートガードも装着。
取材協力
住所/大阪府寝屋川市高宮1-10-23
電話/072-821-1101

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