スーパーバイク1098S
- 掲載日/2011年01月19日【カスタムDUCATI】
強烈なインパクトを放つ
フルメッキスーパーバイク
すべての人の目を引くオートバイが、この世に存在するだろうか? たとえばデスモセディチRRはどうだろう。バイク雑誌を手に取るような人にとっては気になる一台かもしれない。しかしMotoGPを知らない人にとっては、究極のMotoGPレプリカの後光も薄らいでしまうかもしれない。世の中には数値的なものや、そのバックグラウンドを知っているからこそ魅力的に見えるものがあり、言ってみればデスモセディチRRもそういうマシンだ。これがバイク乗りではない、一般の人々を相手にしたらなおさらである。
しかし、その答えはここにある。鏡のように輝く1098S。マシンオーナーはイベント運営会社の経営者で、人の心を動かすことを仕事にしている人だ。そんな人物が自分のバイクをカスタムするときに直感的に選んだのが、全身クロームメッキ仕様という選択だった。ありとあらゆる部分にメッキを施したその執念たるや半端ではない。製作を担当したディライトの片岡さんは、左右のハンドルスイッチにまでクロームメッキ加工を施したというのだから、その執念には恐れ入る。蛇足ながら記すと、この1098Sはショーモデルなんかではなく、しっかりと実走できる状態である。
すべてにクロームメッキを施す、という発想自体はとても単純だし、エンジンをはじめとする動力性能はノーマルのままだ。しかしこのオートバイを前にすると、幼いこどもから老人まであらゆる人が足を止め、視線を釘付けにする。このオートバイは理屈抜きに人を惹きつける力を持っているのだ。オートバイの魅力を広く一般にアピールするのなら、こういう手法も必要なのかもしれない。
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燃料タンクやトップブリッジどころか、マスターシリンダーキャップ、ハンドルスイッチ、そしてスクリーンに至るまであらゆる部分にメッキ加工を施している。こだわり方は完璧である。
スイングアームはもちろん、ドリブンスプロケットもメッキ加工済み。ドライブチェーンにはシルバーメッキ仕様をセレクト。もちろんステップもすべてメッキを施されている。
エンジン左側に装着されたファインフェザークラッチキットは、この1098Sが実走可能状態であることを如実に物語る。たんなるショーモデルに終わらせなかったことが、このオートバイを一層際立てる。
【左】フレームやエンジンカバーなど通電可能な金属部品は通常のクロームメッキを、フェアリングなどの通電しない樹脂などの部品については真空蒸着メッキで加工されている。かなりの手間がかかっている。 【右】フロント周辺をよく観察すると、ホイールやブレーキキャリパーどころかインナーローターまでメッキ加工されていることがわかる。つまりフローティングピンを外し、インナーとアウターを分離してから仕上げてある!
ステンレスのエキゾーストパイプもサイレンサーボディも、一度分解してからメッキしている。研磨加工では得られない輝きは、さすがの一語に尽きる。
リアフェンダーはディライトがこのマシンのために製作したもので、メッキのトーンに合わせて選んだテクサリウムという素材を使っている。
アルミ鍛造ホイールはスタンダードだが、異様な輝きによってまったく異なった印象を与えるホイールとして生まれ変わっている。
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