ハイパーモタード1100S
- 掲載日/2010年12月09日【カスタムDUCATI】
やりたいことをやる!
それがカスタムの真髄
いいものはいい。悪いものは悪い。そうはっきりと明言できる人は、自分と対象、自分と世界との距離をきちんと把握できている。だからスタイルを確立しているし、なおかつブレない。
オートバイは本来、そうした思考回路を構築していくことを手助けしてくれる貴重な乗り物だ。しかしいつからか迎合が大半を占めるようになり、オートバイも乗り手も画一化が進んでしまった。実に惜しいことだ。
そんな現代のオートバイ事情の中、このハイパーモタードには「好きなことを、満足するまで、徹底的に、やる」という姿勢がはっきりと感じられる。スタイルがある。一見しただけではそれほどカスタムされているように思えないが、テールカウルをよく見ればこれはスーパーバイクのカウル(1098/1198系)だ。オーナーは「スリムなリアビューに憧れた」とその動機を簡潔に語るが、それ以上の理由はいらないだろう。憧れをかたちにする。きっかけがシンプルだからこそ体現されるものもわかりやすく、それゆえに観る者を惹きつける。
カスタムというと大仰なものに目を奪われがちだ。しかし大仰にしなければならない理由を探れば、真意を隠すためということも多々ある。そんなものが跋扈しているからこそ、こうした潔いカスタムは貴重なのだ。
カスタムの詳細をチェック!
苦労の跡がうかがえるシートの先端部。スーパーバイクのシートを移設しているため、切った貼ったの痕跡も生々しいが、まとまりや仕上がりを気にするよりもまずは手を動かす。これこそが原点だ。
本来のテールランプは穴埋めし、ナンバーステーにテールランプを装着。世にもめずらしいリアビューを持つハイパーモタードが生まれた。ウィンカーはテールカウル脇に装備し、スマートな印象を作り出す。
SS900用のスクリーンを流用してカタチを整えた。板金業を営むオーナーだからこそ、こうした発想、そしてアイデアをカタチにする力を持ってるのだろう。常日頃からモノに触れている人のアドバンテージは大きい。
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