スーパーバイク996S DUCATI購入ガイド

Superbike 996 S

スタンダードとホモロゲモデルの
間を埋める中間モデル

996S は、2001年に 996シリーズ初の中間モデルとして登場しました。それまでの 996シリーズは、量産スタンダードモデルの 996 と、スーパーバイク世界選手権などに出場するための車両承認（ホモロゲーション）用に定められた、台数限定の上位モデルである 996SPS での２グレード展開でした。この両者にはエンジンやサスペンションに大きな隔たりがあり、996S はまさにこの中間を埋める役割を担ったのです。具体的には 996 で採用されなかったチタン製のコンロッドを組み込むことによって強力なエンジンパワーを得つつ、シートカウルにゼッケンスペースを設けてレーシーな雰囲気をつくり出しています。ただし、エンジン自体は、916SPS や 996SPS で先行搭載されてきた996ccで、これは基本的に 996 と同じものでした。なお、この 2001年に上位モデルが、新型エンジンを搭載すると同時に 996R に名称変更され、スーパーバイクシリーズの特徴とも言える「スタンダード」「Ｓ」「Ｒ」の３グレード体制が完成しています。

996シリーズの中では、996S よりも 996 と 996SPS・996R の方が人気でした。

モデルラインナップ期間年表

	916（ストラーダ）	916SP	916SPS	996
1994	916ストラーダ発売
1995
1996	車名からストラーダ削除	ホモロゲモデル発売
1997			996ccで登場
1998
1999
2000				マルケジーニホイール装備
2001				3グレード体制に

当時の思い出話

今となっては 996S も 996 も
大きな違いはない

996S は、チタン製のコンロッドなどによって、スタンダードの 996 よりも強力なエンジンパワーを発生することが魅力の中間モデルでしたが、外観上の違いがシートカウルのゼッケンプレート風カラーリングのみで、新車価格も 996 と比べて約 17 万円高だったため、996S への注目度は高くありませんでした。むしろ、オーリンズ製のリアサスペンションなど 996S と同様の装備がお買い得だった 996 に人気が集中し、結果的に新車もたくさん販売されました。また高額ではあるものの、レース直系の限定モデルだった 996SPS や 996R も、そのプレミアム感から人気が高かったため、996S がますます影の薄い存在になってしまいます。

加えて、2001年の１年間しか販売されなかったため、996S の中古車はあまりありません。エンジンパワーが少し劣るだけで、前後サスペンションやマルケジーニ製のホイールなどの装備がまったく同一である 996 は豊富にあるので、996S だけにこだわらず、996 を中心とした現実的な中古車探しをおすすめします。