スーパースポーツSS800 DUCATI購入ガイド

Supersport SS800

2012年の現行ミドルモデルにつながる
ちょうどいい空冷ロードスポーツモデル

現代のドゥカティのフラッグシップはスーパーバイクシリーズですが、それらが誕生する以前は 750SS など排気量を表す“数字が前に付くスポーツモデル”がその役割を担っていました。今回紹介する SS800は、その流れをくんで 1998年に登場したスーパースポーツシリーズ SS750の進化版で、2003年から 2005年までの３年間だけ販売されたモデルです。グレードは１つでしたが、フルフェアリングとハーフフェアリングの２つのカウルバリエーションが設定されていました。同時にデビューした SS1000DS が空冷992ccのツインプラグエンジン＆乾式クラッチとオーリンズのリアサスペンションだったのに対し、SS800は空冷803ccのエンジン＆湿式クラッチという違いがあります。残念ながらこの SS800と SS1000DS の生産終了とともにスーパースポーツシリーズは消えてしまいましたが、このときに登場した803ccのエンジンはモンスター796など 2012年の現行モデルに受け継がれています。

メイン写真のフルフェアリング（FF）とこのハーフフェアリング（HF）がありました。

当時の思い出話

2003年モデルだけが豪華仕様
中古車も同年モデルがおすすめ

スーパースポーツシリーズは、スーパーバイクより気軽に乗れてモンスターよりスポーツライディングが楽しめるモデルとして人気がありました。中でも 2003年モデルの SS800は、税抜きで 99万円という安価ながらも、SS1000DS と同様の５本スポークの軽量ホイールとアルミスイングアーム、前後フルアジャスタブルサス、リザーバータンク別体のフロントブレーキマスターを備えており、お買い得感から新車販売はとても好調でした。これを受け、ディーラーは引き続きその好調を期待して 2004年モデルをメーカーに発注したのですが……入荷してきた車両を見てビックリ。ホイールはモンスターと同じ３本スポーク、スイングアームはスチール、調整機構のないフロントフォーク、リザーバータンクはマスター一体式にとグレードダウンされていたのです。これにより SS800は魅力を落とし、2004年以降はあまり売れずに生産終了を迎えることとなりました。

中古車のおすすめは前述の通り、豪華装備が魅力の 2003年モデルです。しかし年式に関わらず中古車として店頭に並ぶことはあまりありません。というのも、スーパースポーツシリーズは固定ファンに支持されており、一度手に入れると手放されないからです。ただしそれはドゥカティユーザーから見るとごく一部なので、うまく中古車を見つけられれば安く手に入りますよ。