カスタムシートで演出する優れた高級感
- 掲載日/2012年02月16日【トピックス】
- 文/Dan KOMATSU 写真/Yasushi TAKAKURA
本記事は、 『DUCATI BIKES』 Vol.07 (2010年11月発行)にて掲載されたものです
一番体に触れる部分に
もっとこだわるべきではないか
ハイクオリティなカスタムパーツを多数取り揃えることで有名なモトコルセ。そのモトコルセが以前から長くラインアップしているアイテムに SPECIAL ORDER SEAT がある。シートと言えば、アンコ抜きや増し、角を削るなど中のスポンジ形状を変更し、よりバイクを扱いやすくさせることは昔から行われてきたが、モトコルセでは表皮の素材にこだわり、視覚的に車両全体の質感を上げるということを勧めてきた。
「シートにこだわるというのは、四輪の世界では一般的なことです。高級車になればそれにあった機能や内部構造、そしてさまざまな表皮を使用したシートが設定されていますし、スポーツカーならば、サードパーティのバケットシートに換装するオーナーも多いのですが、モーターサイクルではそういったことが浸透していない。というかメーカー側がそこまで手をかけていないように思えるのです。例えば、どんなメーカーも車両も似たような表皮を採用していますよね。もちろん乗用車のような室内のシートではないので、外気の影響に強いものを選ばなくてはならないのはわかるのですが、せっかくドゥカティというスーパーバイクを所有しているのですから、シートにも一手間加えてあげて、もっと愛着を持って欲しいのです」
オーダーメイドシートのカラーはこれだけある。なんと30色。さらにパンチング処理や素材の選択、ステッチラインの色なども選べるため、無数といっていいほどのパターンとなる。
確かにバイクのシートは 50cc も大型のバイクも見た目にはあまり変わらない部分である。そもそもそういうものだというイメージが根付いてしまっているために、あまり気にかけない部分なのかもしれない。
「ドゥカティのシートの多くは、作りに関してはよくできていると思います。ただし、表皮の成形をしっかりとしていないことと、内部のスポンジとの接着を行っていないため、表皮が浮くのです。スポンジ、あるいはベースにしっかりと沿うように作られ、ピシッと貼り付けられていれば、それだけでちゃんとした作りこみが感じられ、オーナーの所有欲を満たすワンポイントにもなると思います。そういうことを考えて、モトコルセのオーダーシートは一つ一つモデルによってしっかりとした型を作り、その上で表皮とベースを接着したものを作り上げているのです。表皮素材にしても、過去のイタリアンレーシングバイクで使われていたようなスエード素材。その風合いを実現しつつ、天然素材の持つネガな部分を克服したアルカンターラという新素材や、デザイナーズチェアーに使われるようなカーフレザーを採用することや、ダイヤステッチを施したりすることで、とてもモーターサイクルのシートとは思えない高級感を作り上げました。お客様の中には、オーダーメイドシートを 9 タイプお作りいただき、色々と着せ替えを楽しんでいる方もいらっしゃいます」
シートの張替えを行っているお店は多数あるが、仕上がりにかけては自信があるという。作りたい気持ちはあるものの、どういったものにすればよいか思い浮かばない人も少なからずいるという。そういう場合は愛車の写真を撮り、その上にペンで色々なパターンを描いてみると、イメージが湧きやすいので、一度試して欲しいとのことだ。多少贅沢かもしれないが、自分だけが座ることのできる特別なシートとして、ぜひ作ってみたい逸品だ。
Tel/03-5778-3955
営業/11:00~20:00(日祝祭日 11:00~19:00)
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