スポーツクラシック スポーツ1000
- 掲載日/2011年05月26日【カスタムDUCATI】
- 記事提供/『DUCATI Campione Del Mondo』 Vol.10(2007.08.08発行)
探究心と微調整が生んだ
コンプリート仕様モデル
ローダウンによるスタイリッシュさ、ドゥカティ広島とデスモが共同開発したスポルト1000は、走りのバランスを崩さず如何に旨みを引き出すかに重きを置いた。外装は純正をそのまま使っているが、ノーマルに較べ全体が引き締まって見えるのは、細かい部分だがポイントを押さえた手直しを入れているから。ただ単に車高を低くするというものではなく、シートカウルの角度やタイヤとの距離、そして前後のバランスと、ひとつずつ微調整を確認しながらまとめたものだ。
スタンダードのスポルト1000は、ベベルツイン時代をイメージするフォルムと現代的なスポーツ性を融合させたモデル。そのベースとなっているのは、豊かなトルクで扱いやすい空冷エンジンと、しなりを生かし誰もがスポーツ性を楽しめる伝統のトレリスフレームだ。この不動の組み合わせは、スポルト1000に懐深い走りの性能を与えており、流しても飛ばしても乗り手のレベルに関わらず楽しむことが可能である。
コンプリート車を作る際にも、その美点を崩さずにスタイルアップをどうこなすか、それが課題だったと言う。ローダウンの中心はリアショックで、これは純正ショックを組み直して全長を短くしているが、有効ストロークをなるべく残すことで、サスペンションの動きを不自然なくまとめている。フォークは純正で、突き出し量の調整のみだ。
その走りは至ってスポーティなもので、ワインディングでもいい感じで攻め込める。ただ、その乗りやすさから調子に乗って攻めていると、車高の低さからやはり接地する部分が出てきてしまうが……デスモのスポルト1000カスタムで気になるのは、そのくらいであった。低さを生かして旨みを引き出したこのコンプリート車は、すでに何件か問い合わせがあるとか。パーツも単体で販売可能だ。
低く構えることで、ファットな外装とのバランスをさらに高めたスポルト1000カスタム。ベベルイメージをほうふつさせるカラーリングも、シックな雰囲気と迫力を増すポイントだ。ほんの少しの工夫に見えるが、時間をかけバイクを見つめ常に考えを巡らせなければ、このバランスの高さは出ない。
カスタムの詳細をチェック!
フォークを加工しようとすると大掛かりになる。ローダウンによる硬い動きを抑えるためにもノーマルを生かす方向でまとめた。
ノーマルに見えるハンドルはトマゼリ製。あえて選んだスチール製がいい味を出している。
装着しているシートは、純正のスポンジを加工しレザーを張り替えていたもの。
リアビューを引き締めるフェンダーレス&テールランプキットもオリジナル。
フォークはノーマルのまま突き出し量で車高調整。ホイールはゲイルスピード製を、オリジナルのボルトオンキットで装着する。
変更点はクラッチ周りのみ。燃料供給もノーマルだが、今後サブコン等でマフラーに合わせた微調整を行う予定。
クラッチはプレッシャープレート、カバーともにFBF製。これはコンプリート車メニューには含まれず、オプション設定。
メガホンタイプのマフラーはディライト製。細身のサイレンサーながら消音はしっかりこなしている。
リアショックはロッドを24mmほど短く加工し、ダンパーは強めに。バネレートはノーマル、バンプラバーはハード仕様に交換済み。
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