VIRGIN DUCATI | ドゥカティ・MVアグスタの車検&カスタム 大阪からの新提案 特集記事&最新情報

取材協力/Fellows Point & GOODOM 取材・文/motortoon 写真/若林 浩志 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部掲載日/2014年9月10日

車検に出したけれども、それ以前と調子が変わらない、良くならない。バイクに乗っていると、そういった声を聞いたことがあるのではないだろうか。本来、車検とはあくまでも最低限の安全整備と点検であり、それ以上の性能を引き出すというものではない。そうした検査に通ることを目的とした車検整備では、バイクをより良くするための整備というのは得られないことも多いだろう。当然、ドゥカティをはじめとする嗜好性の高いスポーツバイクのポテンシャルを、最低限の車検整備だけで発揮させるというのは難しい。フェローズポイント&グッダムでは、車検においても ECU 診断機やシャシーダイナモを駆使。現在の電子制御化されたハイパフォーマンスマシンを、計測データを元に高い整備技術でメンテナンスすることにより、ただ検査に通っているというだけでない、その持ち味を研ぎ直すようなワンランク上の車検を提供しているのだ。

電子制御されたバイクには
それに応じた整備が必要なんです

Fellows Point & GOODOM
副代表 塩路 哲也さん

「僕らが行っている車検というのは、ノーマル車両限定の『標準車検』と、カスタム車に対応した『カスタムパッケージ車検』です。常日頃から整備に出していただいて完調であるバイクに対しては、逆に最低限の車検というご用意もありますが、基本的にはこのふたつが中心。内容については、いわゆる車検作業である基本の点検整備、検査代行だけでなく、ECU 診断機での診断、シャシーダイナモによる計測が基本になります。カスタムパッケージ車検ではこれに加えて、パワーチェックのデータを元にした吸排気系や空燃比の測定作業なども含まれてきます。

 

現在のバイクは、基本的に電子制御されている、またそういった部分が増えてきています。電子スロットルのズレを修正したり、エラーチェックをしたりと、現状に応じた整備が必要なんです。例えばギア抜けを起こすと、シフトインジケーターのセンサーにエラーが出て、それが ECU に残るんですよ。乗り続けていれば、そうした細かいエラーログがすごい量になるわけです。そのまま長く放置された状態でチェックをすると、どのエラーが深刻なのか、そうでないのかがわかりにくくなってしまうんですね。なので、定期的に持ち込んでいただいて、エラーをリセットして排気バルブやスロットルのゼロ点設定などをするのが良いかと思います。

 

カスタムパッケージ車検については、これに合わせて新しくアフターパーツを装着するとか、交換をすると工賃を大きく抑えることができます。サブコンやマフラー、エアクリーナーとか。取り付け工賃が必要最小限になるので、お得感がありますね。パーツに関しても、純正部品はもちろんのこと、例えばドゥカティであれば、重要なポイントであるリアハブを守るバンパーやスプリントフィルターといった高性能エアクリーナーなど、車種に合わせたさまざまなパーツを取り扱っています」

店の奥にはアフターパーツやアパレル、グッズなどが品良くディスプレイされている。カフェスペースも併設で、作業の間も快適に居心地良くくつろぐことができる。

清潔感にあふれ、作業性の高いファクトリー。指定工場の協力もあり、安心して愛車を委ねることができる。埋め込み型のシャシーダイナモにより、さまざまなマシンに対応が可能。

同店イチオシのアイテムがこのスプリントフィルター。自社で検証を行った結果、最も吸気効率が良く、自信をもってオススメできるアイテムだという。欧州車に幅広く対応しているのも魅力だ。

シャシーダイナモや診断機など、現代的な設備が目を惹くが、基本となる整備技術にも抜かりはない。経験豊富な技術を元に、エンジンやミッションなどの相談にも乗ってくれる。

オイル交換時やツーリング前に
軽く整備をさせていただくことで安心を

Fellows Point&GOODOM

フェローズポイント&グッダム

住所/大阪府大阪市平野区長吉川辺3-8-38
定休/水曜
営業/10:00~19:00
Tel/06-7506-5926

2014年6月にオープンしたフェローズポイント&グッダム。高い技術をベースとしたショップとして、車検や基本整備、カスタムやチューニングなど、総合的に対応。ドゥカティをはじめとするイタリア車はもちろん、ハーレーや国産車も分け隔てなく受け入れる。サーキットイベントやツーリングなどの展開も予定している。

「オイル交換を自分でされる方も多いかとは思いますが、できれば持ち込んでいただき、その時に ECU 診断機を含めた点検を行うことで、より安心して乗り続けられると考えています。特に、しばらく乗っていない場合や、ツーリングの前には点検に出すと安心できると思います。そういったニーズへの対応として『シンプルインスペクション』という各部のチェックやシャシーダイナモの測定を含めた軽整備プランを用意させていただいています。時間的にも 30 分ほどですので、ぜひ活用して完調のイタリア車ならではの走りを安全に味わっていただきたいですね。もちろん、車検だけ、パワーチェックだけ、カスタムといった車両の持ち込みについても対応しています。お気軽に足を運んでいただければと思います」

 

ただ車検を通しただけで、消耗品の交換やセッティングなどの整備がなされていなければ、バイクの調子が良くなることはあり得ない。スポーツバイクではなおのことだ。フェローズポイント&グッダムで行う標準車検およびカスタムパッケージ車検は、バイクの現状をしっかりと目に見える値として出力し、そして各車両に応じた部品の交換やセッティングを行う。つまり “車検に出したら調子が良くなる” という、一見当たり前でありながらも、制度の枠にとらわれず、“本当に必要な整備を行わなければ得られない結果” を生み出してくれるのだ。

シャシーダイナモを用いた測定から
カスタム、チューニングまであらゆるシーンに対応

フェローズポイント&グッダムならではの、シャシーダイナモを使いこなした測定、ECU 診断機によるデータ取得やステータス管理だけでなく、基本である車検整備についてもこだわり抜いて作業を行っている。また、ユーザーの好みに合わせたセッティングや、自分だけの一台を作り上げるハイクオリティなカスタムまで、さまざまな要求に応えてくれる。そうした同店のポイントをいくつか紹介していこう。

 

高温にさらされるクラッチやブレーキは気をつけたいポイントだという。特に、日常的に走らせることの少ないユーザーの場合は、状態が悪くなっていても気づきにくいことも多いので、より注意をしておきたい。

基本的な部分であるチェーンの張りやタイヤの空気圧などのチェック。車検時はもちろんのこと、オイル交換などで入庫した車両についても、そうした部分に目を通すのが塩路さんのスタイルだという。

シャシーダイナモによるデータのチェック。広くとられたファクトリーで余裕を持っての作業を実現している。同店では、単純にパワーチェックするだけのものではなく、診断計測器として整備の基本を構築する必須の機械と捉えていると言う。

マルチやツインといったシリンダーレイアウトを持つモデルでは、もちろん同調作業が必要になる。インジェクション全盛の現代だけに、こうした部分では測定データと整備士の技術の両面を活かして仕上げる。

片持ちスイングアームを採用している車両にとって、リアハブは非常に重要度が高く、また転倒による損傷リスクも大きい。そのため、フェローズポイント&グッダムではリアハブバンパーの装着をすすめている。ビジュアル面でも効果は大きい。

ドゥカティならではのタイミングベルト調整。片持ちスイングアームと同様に、ドゥカティ特有のメカニズムについても、スペシャリストならではの豊富な知識で、車種や年式に合った適切なチェックを行う。

モンスターに取り付けられたパワーコマンダーV。カスタムマシンはもちろん、ノーマルであってもその恩恵は絶大だという。ふたつのマッピングを保持することができ、拡張性も含めてコストパフォーマンスに優れたサブコンだ。

ECU 診断機を接続することでコンピューターのログチェックやエラーのリセットなどを行う。現在のバイク整備においては必要不可欠なアイテムと言えるだろう。もちろん、各メーカーに対応している。

とことんまで仕上げられたモンスターS4。オーリンズの倒立フォークやモトコルセのスイングアームをはじめ、すべてにおいて妥協なく手が入れられている。シート下にはパワーコマンダーVを搭載。