モンスターS2R800 DUCATI購入ガイド | バージンドゥカティ

Monster S2R800

スタイリッシュなデザインを持つ
コストパフォーマンスに優れたモンスター

2005年にデビューしたモンスターS2R800は、2003年に発売された過激な水冷エンジンを搭載するモンスターS4Rの弟分として投入されたモデルだ。S4Rと同じ片持ちスイングアームと右2本出しマフラーを備えたスタイリッシュなデザインを採用しているが、エンジンは先代モデルであるモンスター800に使用されていたエンジンをバージョンアップしたものを搭載。117馬力を誇るS4Rほど乗り手を選ばず、同時期にラインナップされていたモンスター1000よりリーズナブルな価格設定を持つ、幅広いユーザーを想定したスタンダードな1台となっている。

モンスターS2R800に搭載されている空冷2バルブエンジンは、ニューモデルにあわせてじっくりと熟成されたユニット。新設計のコンロッドやピストンを採用したほか、吸排気タイミングの変更なども行われており、これまでのモンスターに比べても低回転域の扱い易さが増している。サスペンションは街乗り向けのセッティングを施されたシンプルなもので、フロント側には上位車種のような調整機構は備わっていない。

片持ち式スイングアームなど個性的な装備が目を引くモンスターS2R800。多くのライダーが楽しめる間口の広いモデルとして、今も人気が高い。

ブレーキはダブルディスクではあるものの、キャリパーは対向ではなくピンスライド式2ポットのものが採用されている。ある程度の装備省略は見られるが、そのおかげで国内販売価格は105万円（税込）とリーズナブルな設定となっていたのも事実で、S2R800と共にドゥカティスティの道を歩み始めたライダーも多い。

フロントフォークはマルゾッキ製倒立φ34mmで、調整機構は持たない。ブレーキはブレンボ製2ポットピンスライドタイプ。

最低地上高を引き上げてバンク角を稼ぐため、三角断面のサイレンサーは右サイドの高い位置にマウント。サウンドは控えめだ。

剛性の高いテーパータイプのハンドルはマグラ製。軽量な電気式メーターユニットには盗難防止用イモビライザーを内蔵。

先進装備も備えたスタンダードモデル
バランスの良さに注目したい

コストパフォーマンスに優れたスタンダードモデルであるモンスターS2Rには、実は現行のモンスター696同様APTC湿式スリッパークラッチが採用されている。シフトダウン時のバックトルクを確実に逃がすことで不快なホッピングを抑え、クラッチレバーへのキックバックも解消してくれるため、よりイージーにスポーツライディングを楽しむことが可能だ。また、初代モンスターにも現行モンスターにも無い独自の個性的なスタイルは、今もって熱烈なファンが多いのも特徴。77馬力を発生するエンジンの扱い易さにも定評があり、気軽にドゥカティを楽しむ1台としては今もって十分なポテンシャルを備えていると言える。むしろ、今のラインナップには無い排気量が作り出す高次元のバランスは魅力的で、これから乗るユーザーにとっても選択肢の一つになり得るだろう。

また、モンスターS2Rは中古車市場で比較的値落ちが少ないモデルだ。とは言え、元々の販売価格が安価に抑えられていたため、手を出しやすい価格に落ち着いている。

最終年式も2007年と比較的新しく、熟成された空冷2バルブデスモを搭載しており、トラブルが非常に少ないのも特徴だ。国内でも人気が高かった車種となるためパーツのラインナップも多く、カスタムする楽しみがあることも見逃せない。気負わずに長く楽しめるドゥカティを探しているなら、モンスターS2Rを検討してみることをおすすめしたい。