スポーツツーリングST4S ABS DUCATI購入ガイド

Sporttouring ST4S ABS

シリーズ最高峰モデルには
前期型と後期型がある

2013年現在、ドゥカティのツーリングモデルといえば、ムルティストラーダ1200Sツーリングをはじめとするムルティストラーダですが、1997年から 2007年まではスポーツツーリングシリーズがそのポジションにありました。このシリーズは、スーパーバイク系の水冷４バルブエンジンを搭載するなど、今よりもはるかにスポーツ色の強かった当時のドゥカティらしい “速く、スパルタンなツアラー” でした。

その中でも ST4S ABS は、排気量996ccエンジンとオーリンズ製リアサスペンション、チタンコーティングが施されたショーワ製フルアジャスタブルフロントフォーク、マルケジーニ製５本スポークホイール、アルミスイングアームを装備する ST4S に、ABS を追加した “シリーズ最高峰モデル” なのです。デビュー当初の 2003年は ST2、ST4、ST4S と同様に丸みを帯びた外観を持ち、2004・2005年モデルでは ST3、ST3S ABS と同様の角張ったデザインへとモデルチェンジしています。

2003年モデルは ST2系と同様の丸いデザイン、2004・2005年モデルは ST3系と同じ角張ったスタイルが特徴。

モデルラインナップ期間年表

	ST4	ST4S	ST4S ABS
1997
1998
1999	916ccで販売開始
2000
2001		996ccのＳ追加
2002
2003			ABS に一本化
2004			ST3 と同様に外観変更
2005
2006
2007

当時の思い出話

時代の流れはムルティストラーダに
変身カウルキットは隠れた人気

その速さが魅力だったスポーツツーリングシリーズの人気は、2001・2002年に販売された ST4S で頂点に達しました。しかしながら 2003年にムルティストラーダ1000 がデビューすると、人気の中心はこのような快適志向のデュアルパーパスモデルへと移っていきます。それに加えて ABS が標準装備され、価格アップと重量増になってしまった ST4S ABS の新車販売は伸び悩みました。メーカーもディーラーも 2001・2002年の ST4S の販売好調を基準として ST4S ABS を用意していたため、ここから数年間は新車在庫に苦しむことになるのです。

この在庫車を販売するときにディーラーがオススメしていたのが、純正オプションの「コンフォートヘッドライトフェアリング」です。前傾の強いライディングポジションを緩やかにするためにハンドル位置を上げようとしても、ノーマルでは干渉してしまいます。しかし、このアッパーカウルを装着すればアップハンドルが実現できました。ヘッドライトに貼ると２灯風になるステッカーと合わせれば、大きくイメージチェンジでき、当時も今もプチカスタムとして隠れた人気があります。