スーパーバイク1198S DUCATI購入ガイド

Superbike 1198 S

トラクションコントロールや
データロガーを備える上位モデル

2007年にデビューした 1098 シリーズは、2009年に1198シリーズへと進化しました。スタンダードに位置づけられる1198、上位モデルの1198S、レースに出場するための車両承認（ホモロゲーション）用に定められた台数限定のスペシャルモデル1198Rの３モデル展開や外観デザインといった基本部分は、そのまま継承しています。おもに変更が加えられたのはエンジンで、排気量が 1,099ccから 1,198.4ccに拡大されました。マイナーチェンジやモデルチェンジで少しずつ排気量を増やすという手法は、ドゥカティの全カテゴリーに共通するもので、日本の排出ガス基準に適合させるために最高出力こそ抑えられましたが、この1198シリーズもその狙い通りに低回転からのトルクを増強し、乗りやすくなっています。

2009年モデルはゴールドフレーム＆ホイール、2010年モデルは赤フレーム＋黒ホイールにリムストライプ。

今回紹介する1198Sは、ドゥカティの上位モデルの方程式に則ったオーリンズ製の前後サスペンション＆ステアリングダンパーに加え、マルケジーニ製の鍛造ホイール、ドゥカティ・トラクション・コントロール（DTC）とドゥカティ・データ・アナライザ（DDA）まで装備した高級モデルでした。

モデルラインナップ期間年表

	1198	1198S
2009		ゴールドフレーム＆ホイール
2010		赤フレーム＋黒ホイール
2011	DTC ＆ DDA 装備

当時の思い出話

乗りやすくトラブルも少ないが
新車販売が少なかったために中古車は少なめ

1198Sには、大きく分けると３つのバリエーションがあります。【１】フレームとホイールがゴールドカラーの 2009年モデル、【２】赤フレームに黒いホイール＆赤のリムラインを組み合わせる 2010年モデル、【３】特別カラーとアルミガソリンタンクに加えて、レース用スリップオンマフラー＆ ECU が同梱されたコルセスペシャルエディションです。もっとも人気があったのはコルセスペシャルエディションで、25万円（税込み）もの価格差がありながら、それを払ってでも得られる満足感やお買い得感がはるかに高かったことがその理由でした。逆に人気が薄かったのは 2009年モデル。スポーツイメージを求めるスーパーバイクユーザーにとって、ゴールドフレームはあまりスポーティに見えなかったようですね。カラーリング別では、やはりレッドの人気が圧倒的でした。ただし、それもドゥカティの新車全体で見ると少なく、販売面では結果的に 2010年に登場したムルティストラーダ1200 シリーズにユーザーを奪われた形になってしまいました。

2012年の 1199 パニガーレの登場以降、スチールトレリスフレームを持つ1098／1198シリーズの人気が高まっており、中古車相場は上昇を続けています。その中でも特に1198Sは高価ですが、エンジン特性が扱いやすく、装備が豪華で大きなトラブルも少ないため、非常にオススメです。注意点があるとすれば、オーリンズ製サスペンション。修理代が高額になってしまうので、購入の際にはオイル漏れがないかを必ず確認してください。