スーパーバイク848 DUCATI購入ガイド

Superbike 848

過度な装備を抑えた
ベーシックスーパーバイク

2013年の現行ラインナップに並ぶ 848 EVO の一世代前にあたる 848 は、2009年に登場しました。外観や車体の大部分をフラッグシップの 1098 シリーズと共用しつつも、排気量 849.4ccの 848 テスタストレッタ・エボルツィオーネエンジンを搭載している点が、848 の大きな特徴となっています。スーパースポーツ世界選手権をはじめとした市販ミドルクラスレースの750ccという排気量基準にとらわれずに、あくまでも公道でのスポーツライディングを楽しむことを目的としたモデルです。そのため、レースに対応する上位モデルは設定されず、スタンダードモデルのみがラインナップされました。逆に、オーリンズ製の前後サスペンションやフロントフォークの TiO コーティング、モノブロックフロントブレーキキャリパー、トラクションコントロールシステムといった過度な装備を省くことによって、車両価格が抑えられています。しかしながら、前後にはフルアジャスタブルサスペンションを備えており、その走行性能は必要にして十分です。

上位モデルは設定されず、スタンダードモデル（848 ブラックを含む）のみがラインナップされました。

モデルラインナップ期間年表

	848	848ブラック	848EVO	848EVOブラック	848EVOコルセスペシャルエディション
2009
2010
2011
2012
2013

当時の思い出話

気軽に乗れるスーパーバイクは
女性やビギナーにもオススメ

849.4ccへと排気量を適正化したエンジンと湿式クラッチの組み合わせは扱いやすく、848 はスーパーバイクシリーズの難しいところをうまく取り除いたモデルでした。女性やビギナーのオーナーも多く、ディアベルやムルティストラーダに代表される今日の “気軽に乗れるドゥカティ” の先駆けともいえるモデルでしょう。その一方で、安価なミドルモデルであるために、コストも抑えられていました。リアサスペンションのリンクロッドに調整機構を持っておらず、車高を下げて足つき性を良くすることができないのです。純正オプションやベビーフェイス製のサスペンションリンクロッドなどに交換して、2～5cm ローダウンさせるのが一般的ですね。

乗りやすいがゆえに、848 は気に入って長く乗られ、手放されない傾向にあります。また、848 を求めるユーザーも多いので、中古車は常に品薄状態。程度の良い車両が入荷したら知らせてもらえるようにディーラーと相談するのが、848 入手の近道でしょう。