ドゥカティ NCR 900TT-1
- 掲載日/2009年10月10日【歴史あるドゥカティを知る】
- 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
究極のベベルLツイン市販レーサーをアップデート
スタイリングとデザインバランスが見事なTT-1
1978年型NCR900TT-1の実力を象徴するレースと言えるのが、同年6月に開催されたマン島TTレースにおけるマイク・ヘイルウッドの活躍だ。その偉大なる栄誉を称え、翌年から市販開始され、ドゥカティを代表するベストセラーモデルとなったのが、900MHRこと「マイク・ヘイルウッド・レプリカ」である。このMHレプリカブームは、ご本家NCRレーサーのマシンオーナーにも影響し、ヘイルウッドがマン島TTレースで優勝した時と同じカラーリング、同じデカールをフェアリングに纏う例が多かった。ここに紹介するマシンも、まさにそのようなレプリカだと思われるが、その真相は不明だ。いずれにせよ、ベースモデルがNCR900TT-1であることに変わりはなく、やはりそのフォルムは、ベベルLツインファンにとってたまらなく美しいマシンである。
78年型市販レーサーをベースに、アップデートパーツでエンジン及び吸排気系をモディファイしているこのマシン。標準でポイント点火のスパーク系はフルトランジスタ化され、外部仕様のピックアップコイルを採用。ジェネレーターは、脱着が容易かつバンク角をより確保できる外部マウントタイプに変更されている。マフラーに関しても、左右のジョイントを持たないセパレート仕様かつサイレンサー付きのメガホンエキゾーストを装着している。
車体に関しては78年型NCR900TT-1のノーマル仕様の面影を色濃く残すが、エンジンに関しては、外部ジェネレーターやトランジスタ点火用ピックアップなど、アップデートパーツを装着している。
なにより、このマシンはサイドビューが美しい。ガソリンタンクやシートカウル形状がシャープで、スリムかつ他モデルには無いデザインのフルフェアリングが、独特な美しさを醸し出している。このグラマラスなフォルムに憧れ、市販車900MHRをカスタマイズしたいと語るファンが後を絶たないのもうなずけるというものだ。何度見ても飽きの来ないマシン、まさにその代表的1台である。
NCR 900TT-1の詳細写真
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