第3回 バードカ号激太り?!
- 掲載日/2009年01月13日【それでもムルティを買いました!】
- 取材協力/ドゥカティ横浜
成功か、はたまた失敗か…
豪華3点セットを装着して
ムルティをもっとマルチに楽しむ作戦
ある日のこと、いつもお世話になっているドゥカティ横浜さんから「入荷しましたよ~」という電話が…。
やはりフツフツと湧き上がってくるブツヨクには勝てず、とうとうオーダーしてしまったのです、あの豪華3点セットを。そう、どうしても欲しくなってしまったトップケースとサイドケースのことです。スリムさがウリのドゥカティに、ケースを3つも同時装着するなんて人はあまりいないと思いますが、ケース類を装着すれば、ツーリングに、買い物に、日常のゲタ代わりに、とバードカ号とがもっと便利に使えるはず。しかも、トップとサイドのケースを同時装着できるのはドゥカティの中でもムルティだけに与えられた特権。飛躍的に積載量をアップして、ロングツーリングに出かけるのも夢じゃないということです。さらに、最近分かってきたのですが、案外バードカ号は燃費優等生。私の使い方だと、コンスタントにリッター20km以上は走るので、車で渋滞の中をチマチマ走るよりも、荷物を積めるようにして、できるだけバードカ号で出かけるようにした方がずっとエコ…。まぁ、自分のブツヨクを正当化する理由はすぐにた~くさん思いつくわけです。
ということで、早速ドゥカティ横浜さんに直行。整備工場につくと、早速メカニックの方が例のブツが入った箱二つを持ってきてくれたのですが、さすがにケースが3つ分ともなるとデカイ。一瞬、「こりゃ、ちょっとやりすぎたかな」と思ったのですが…。
実用性だけじゃない!
さすが! イタリアンは
いちいち洒落てるね~
心配をよそに、メカニックの方がパパッと梱包を解くと、いよいよケース本体が見えてきました。トップ、サイドともにケースはイタリアのGIVI製です。イタリアンレッドの塗装の美しさもさることながら、一番感心したのはバイクとケースを連結するブラケット類もちゃ~んとデザインされていること。過去、ケース類を装着したバイクは何台も見てきましたが、ここまで徹底してデザインされたブラケットは見たことがありません。「さすが! イタリアンはいちいち洒落てるね~」と、一人悦に入っている新米オーナーをよそに、作業はテキパキと進行。
作業はまず、サイドケースの左右ブラケットを装着するところから始まります。以前から「何のため?」と思っていた、美しいサブフレームに設けられた穴を利用してブラケットをボルトで連結。さらに、タンデムステップホルダーにもボルト締めし、最後に、左右のブラケットを“X”型のステーで連結します。見ているだけで、実に合理的かつ丈夫な構造であることが分かります。次の作業は、タンデムグリップをトップケースブラケットに交換すること。この作業はやや煩雑で、シートカウル類はいったん全て取り外さなくてはなりませんが、やはり何の問題もなく装着完了です。作業中、メカニックの方が教えてくれたのですが、近年のドゥカティは、こうしたブラケット類の精度が著しく向上したとのこと。一昔前のこうした作業では、ちょっと削ったり、曲げたりすることが珍しくなかったそうですが、確かにここまでの作業は実にスムーズ。全てのブラケットを装着するのに要した時間は20分程度、タンデムライダー用の背もたれをトップケースにつけたり、細かいブッシュ類をはめ込んだりする最終工程を含めても、作業時間はトータル30分強という感じでした。
ビーエムも真っ青?!
ド迫力の3ケース同時装着
嬉しい誤算もあったりして…
ブラケットの設置が終われば、いよいよケースを装着します。グイッとブラケットにトップケースを押し込み、カチャッ、カチャッと左右のケースをはめ込めば、バードカ号のツーリングトリムが完成。ビーエムも真っ青のリアビューが大迫力です。トップケースを装着した姿はたまに見かけますが、ケース3つを装着したムルティストラーダを見るのは初めてのこと。やはり、見た目にはリア周りが相当重たそうですが、これで積載量と利便性が爆発的にアップすると考えれば、全く後悔はありませんでした。
それどころか…ドゥカティ横浜さんからの帰り道、嬉しい誤算があったのです。これまで、スポーティなバードカ号のハンドリングはもちろん気に入っていましたが、「のんびり走りたいときはちょっと全体的な運動性がクイック過ぎるかなぁ」なんて思っていたことも事実。ところが、ケースを装着した状態だと、それが適度に鈍くなって実に塩梅がよろしい。しかも、空力を考慮したと思われるサイドケースの形状もあってか、高速走行がビシッと安定。スポーツツアラーとしてはかなり理想的なハンドリングになったと言えそうです。スポーティに走りたいときはケースを外してシャープなハンドリングを楽しみ、ツーリングや日常生活ではトップとサイドのケースを使い分けて、落ち着いたハンドリングの快適走行。1台でそんな風に楽しめるのですから、「本当にブツヨクに負けて良かったなぁ」と思ったのでした。(続く)
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