第5回 バードカ号をリフレッシュ
- 掲載日/2009年02月24日【それでもムルティを買いました!】
- 取材協力/ドゥカティ横浜
バードカ号をリフレッシュ
あっという間の
初回オイル交換
昨年の11月下旬に納車されたバードカ号ですが、あっという間にオイル交換のタイミングに。本格的に走り始めたのが12月ですから、1月と合わせて実質2ヶ月で約2,500km走ったことになります。1ヶ月あたり1,250kmですから、日々の通勤などで使用していない車両としてはまずまずのペースではないでしょうか? 実は納車時、スタッフの方に「オイル交換は5,000kmくらい引っ張っても大丈夫なのでは?」と質問したところ、「いいえ、キッチリ3,000kmごとに実施してください。そうすればバイクの機嫌もずっとイイですから」と、ビシッとクギをさされていたのです。なので、今回のオイル交換は大人しく指示に従い、多少の余裕をもって実施することにしました。「郷に入っては郷に従え」というコトワザもあることですし…。
そして、実はこのタイミングでもうひとつやりたい作業もあったのです。それはメンテナンスサイクルを教えてくれる「スパナマーク(メンテナンス警告灯)」のリセット。バードカ号は走行2,700kmの個体でしたが、不具合が見つかったためにメーターユニットを新品に交換した上で納車になりました。そのため、あくまでも中古車なのですが、新車と同様に走行1,000kmで初回点検タイミングを示すスパナマークが液晶画面に点灯。しかし、実際には初回点検を終えた個体であるため、オイル交換のタイミングで入庫してスパナマークをリセットしてもらおうと考えていたのです。
ということで、「スパナマークの消灯を忘れずに頼まなくては…」と心に誓い、いつものようにドゥカティ横浜さんに向かったのでした。
そこまでやりますか!
ドゥカティらしい
念入りなオイル交換作業
ドゥカティ横浜さんに到着するとバードカ号はリフトに載せられ、早速オイル交換作業の開始です。納車時にオイルフィルターは交換されているとのことですので、今回はエンジンオイル交換のみの作業となります。見慣れた作業かもしれませんが、「もしかしたら、ドゥカティならではの流儀があるのでは?」と考え、作業を見学させてもらうことにしました。するとやはり、メカニックの方がおもむろにエキゾーストパイプの中間部分を取り外すところから作業を始めたのです。「ドレンボルトやフィラーキャップの付け外しには邪魔にならないのにナゼ?」と不思議に思い理由を尋ねてみると、オイルパンの横にオイルストレーナー(大きなゴミを濾し取るネット)が挿入されており、それを取り外すためとのこと。つまり、エンジンオイルを交換するたびにストレーナーを洗油で洗浄するのがドゥカティ流というわけです。
その後、オイルパンのドレンボルトを外し、古いエンジンオイルを抜きながらストレーナーを引き出します。「エンジンを回すことが多く、オイルに対する要求が厳しいドゥカティらしい流儀だなぁ」と感心しつつ、取り外したストレーナーを見せてもらうと、結構大きめの金属片がいくつか付着していてビックリ。取り外したパーツは全て洗油で洗浄です。真水で洗油を洗い流したらコンプレッサーのエアーで水分を吹き飛ばします。エンジンオイルが落ち切った頃合を見計らい、ストレーナーとドレンボルトを元通り装着。当然、要所はトルクレンチを使用して締め込みます。これらの作業が終了したら、金色に輝くまっサラサラのシェル・アドバンスウルトラ4(10W-40)を分量を確認しながら注入。まるで墨汁のように黒くなった使い古しのオイルと新油を比較してしまうと「やはり3,000kmごとのオイル交換はマストだなぁ」と言わざるを得ません。その後、エンジンオイルのフィラーキャップを手締めして、エキパイを組み付けます。
バードカ号の血液サラサラ!
おせっかいなスパナマークも
新油を味わえば認識も新たに
パーツクリーナーでエンジン周辺を清掃し、リフト上でエンジンを始動して新油をエンジン全体に行き渡らせたら、オイル交換は無事完了です。次ぎはスパナマークのリセット。この作業をするには、ドゥカティの正規ディーラーに配備されるDDS(DUCATI DIAGNOSIS SYSTEM)が必要となります。車両に搭載されているバッテリーを接続して12ボルトの電源を確保、車体側に設けられているコネクタを接続して準備完了です。DDSの画面をスタイラスペンで操作しながら車両の種類を入力すると、その後に表示されるメニューの中にスパナマークのリセットも含まれています。メニュー選択してDDSと車両の通信が終了すると、スパナマークが綺麗サッパリ消えました。
さてさて、新油に入れ替えたインプレッションですが、バードカ号の場合は結構明確に違いが現れました。まず、エンジンのメカニカルノイズがかなり静かに。「ガラガラ」といった独特の音が鳴りを潜め、代わりにマフラーが奏でる排気音がよく聞こえるようになったという印象です。また、肝心の走りの方も、ハンドルバーに伝わってきていた微振動が少なくなり、回転の延びもスムーズに。走りの滑らかさが向上しました。エンジンオイルの劣化は日々少しずつ進行するだけに、なかなかその有り難味が実感できないものです。しかし、こうして新油の走りを味わうことで、オイル管理の重要性を再認識。そして、例のスパナマークですが、実は初めて表示されたときは「ちょっとおせっかいな感じがするなぁ」と思っていました。しかし、どうせやらなくてはならないオイル交換であれば、時期をバイクが覚えてくれていた方が便利です。ツーリングや買い物にも使えるのでついつい走行距離が延びてしまうムルティストラーダの健康を維持するためにも、スパナマークは重要だと考えを改めた次第です。
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