バードカ号の受難
バードカ号
再び負傷!
前回ご報告したとおり、とりあえず「ミラー骨折事件」から回復したバードカ号。暑過ぎず涼し過ぎずの快適ツーリングシーズンを迎え、「いよいよ自慢のケースフル装備でロングツーリングだっ!」と意気込んでいたのですが…。またですよ、またっ!!! 前回の張本人はバージンドゥカティのメイン担当者ムラヤマ氏でしたが、今回は我が編集部の紅一点、オヌ嬢がやってしまいました。どういう状況だったのか問い詰めたところ、泣きじゃくりながら(←ウソ)「直史や女子たちとツーリング していたら、立ちゴケしてしまってぇ…ボールペンを持っていたので…」。う~む、全く意味不明…。これ以上本人から話を聞くのは時間の無駄と判断した私は、状況を把握するためにバードカ号のもとに向かったのでした。
前回の事件で車体の右側にはまだ痛々しい傷跡が残っているバードカ号。それ以外、遠目に見る限りは何の変化もないのですが、近寄って見ると今度は車体左側、しかもカウルの結構目立つ位置に白々とした線キズ。そしてハンドル周りに目を移すと、クラッチレバーにボールペンがテープでグルグル巻きに!! どうやらクラッチレバーを折った模様。あぁぁぁ、前回のミラー折損のときはそこら辺に落ちていた適当な鉄棒で患部に添え木され、今回はボールペンで…。オシャレなイタリア車に全く似合わないマテリアルで2度も添え木。ああ、なんと不憫なバードカ号でございましょう!
ということで線キズは兎も角、ボールペンレバーではマトモに走ることもできないので、またもやバードカ号を自宅に連れ帰ったのでした。そして、ドゥカティをはじめとするイタリア車のパーツを幅広く取り扱うガルーダさんに電話したところ、「ムルティストラーダ用の在庫はないのですが、根元が壊れていないなら916系のクラッチレバーが応急用として使えるかもしれませんよ」とのこと。一刻も早く直したかったので早速お邪魔してゲットしてきたのでした。実はこのレバー、あのトマゼリ製です。同社のパーツはドゥカティに純正採用もされているので見比べてみたところ、レバー根元の部材が違うものの、調整ダイヤルより先はほぼ同じ形状。折れたレバーを分解して、生き残った根元に移植してみるとドンピシャでした。ということで、早速組み上がったレバーを装着したところ、意外な問題が発生。レバーの根元にはクラッチが握られていることを感知して始動安全装置を解除するためのスイッチがあるのですが、それが作動しない…。「同じ形状のレバーなのになんで??」と悩んだ末に、原因はレバーの調整ダイヤルであることが判明。違う車種用なので、ダイヤルの調整範囲がムルティストラーダに全く適合していないのでした。ということで再びレバーを外し、仕方なく少々サビも浮いている古いダイヤルも移植。これでやっとマトモに走れるようになったバードカ号でありました。
それにしても…自宅に連れ帰ったバードカ号をしげしげと観察してみると脱落した部品やら消耗したパーツが多数。「コリャ、走ってばかりいないで、ちょっと手を入れてあげないと可哀想だなぁ…」と感じたのでした。
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