2011 MotoGPレポート第14戦アラゴン DUCATIサーキット情報局

2011 MotoGP #14 ARAGON（2011.09.18）

ドゥカティチームにとってチャレンジングな週末となったアラゴンGP
ヘイデンは７位、ロッシは10位でフィニッシュ

アラゴンのレースウィークエンドは、デスモセディチの開発熟成を進めたいドゥカティチームにとって非常にチャレンジングな週末となった。ドゥカティチームは、予選13番グリッドとなったバレンティーノ・ロッシのマシンに、今季７基目のエンジンを使用する決断を下した。それによって、終盤戦は同一仕様のマシンを２台使えることになったが、エンジン交換のペナルティとして、レースのスタートから10秒後にピットスタートするというペナルティを科されることとなった。

しかし、ロッシは最後尾から果敢に追い上げ、９位まで浮上。終盤はリアタイヤを使い果たしてカル・クラッチローにオーバーテイクされたものの、10位でチェッカーを受けた。

ニッキー・ヘイデンは3列目からすばらしいスタートを切り、その後エクトル・バルベラと激しいバトルを展開。最終ラップの最終コーナーでこのスペイン人ライダーを抜き去ったヘイデンは、７位でフィニッシュした。

RIDER’S VOICE

ニッキー・ヘイデン（ドゥカティ・モトGPチーム）７位

「いいスタートが切れた。序盤もうまく走れたが、今日のレースはタイヤ摩耗が課題になるとわかっていたので、数周目以降は敢えてペースを落としてタイヤを温存した。それでも終盤はグリップを失い、コーナリング時に適切に荷重移動ができない状態になった。一部のセクションでは手応えを感じていたが、最終コーナーをクリアするたびに上位陣に水を開けられた。しばらく第２グループについて行けたが、最後までその状況を維持することはできなかった。バウティスタ（アルバロ）とはほぼ同じペースだったので、ファイナルラップで仕掛けたかったが、バルベラとの激しいバトルでお互いに消耗していたため、バウティスタを逃がしてしまった。上位陣といいファイトができると期待してアラゴン入りしたが、残念ながらそうはならなかった。GP11.1で完走してチェッカーを受けるのは今回が初めてだ。インディでは、一度ピットに入った後、ポイント獲得のために再スタートしたからね。今日のレースで今後に役立つデータが取れていると嬉しいよ」

バレンティーノ・ロッシ（ドゥカティ・モトGPチーム） 10位

「非常に厳しいレースだったが、客観的に見て、これ以上の結果は望めなかったと思う。昨日の午前中、かなり使い古したタイヤでいい走りができていたので、レースでもそのセットアップを使った。残念ながら、レースではプラクティス以上にリアのスライドが激しかった。ニッキーのグループに追いつきかけたが、その時はすでにタイヤをほとんど使い果たした状態だった。もちろん、今のポジションはドゥカティ・モトGPチームが望む位置ではない。現在はフロントの熟成を進めている。現在のソリューションは、あくまで短期的な措置であり、最終仕様ではない。その一方で、長期的な視野に立ったソリューションが実質的なパフォーマンス向上に繋がって欲しいと思っている。ファクトリーがどのように考えるか、彼らの答えを待ちたい。まだ上位陣とは差がある。現在の最大の敵は時間だ。ただし、今後もレースを実戦開発の場と捉えて進歩を目指したい」

ヴィットリアーノ・グアレスキ（ドゥカティ・モト GP チーム・マネージャー）

「非常に難しいレースだった。バレンティーノがペナルティを受けることになったが、デスモセディチGP11.1の開発熟成に向けて重要な第一歩を踏み出すことができた。いいパフォーマンスを見せるチャンスを失うのは、ライダーにとって決して愉快なことではないだろうが、その自己犠牲の精神は、チーム全体のモチベーションとなるだろう。我々は、開発熟成のペースを速める決意を新たにしている。ニッキーと担当チームも、GP11.1のデータを最大限に集めようと多大な努力を払ってくれた。彼のマシンは、バレンティーノのそれとは異なり、フロントシャーシがアップデートバージョンではないが、それにしてもニューマシンであることに変わりはない。セットアップにはかなりの改良の余地があるはずだ」