2012 MotoGPレポート第10戦アメリカ DUCATIサーキット情報局

2012 MotoGP #10 USA（2012.07.29）

ヘイデン、母国GPで６位フィニッシュ
ロッシはクラッシュによりリタイア

ドゥカティチームのニッキー・ヘイデンは、序盤にバウティスタと接触し順位を落としたものの、その後は大胆かつ緻密なライディングを続け、母国グランプリとなるアメリカ GP で、６位でチェッカーを受けた。

ヘイデンとバウティスタの接触は、スタート直後に発生した。ヘイデンは、このアクシデントで順位を落としてしまい、その後は４位争いを展開するライダーと同等のタイムで走行しながらも、ブラドルを攻略するだけにとどまった。

チームメイトのバレンティーノ・ロッシは、好みのセットアップが確立できずに苦戦を強いられた。レースでは、残り２周の時点でコークスクリュー入口のブレーキングで転倒、８位を逃した。

RIDER’S VOICE

ニッキー・ヘイデン／６位

「今日は出だしでつまずいてしまった。午前中のウォームアップでクラッシュしたのは、ブレーキに十分な熱が入っていなかったためだ。レースでは、マシンが今週末でもっとも良い状態に仕上がっていた。良いスタートが切れたが、バウティスタと接触してしまった。ターン１とターン２は注意しようと思っていたことが逆効果で、無意識のうちにブレーキレバーを強く握りすぎていたのかもしれない。その後はブラドルに行く手を阻まれて、第２グループに差をつけられた。どうにかブラドルをパスした時は、すでに集団は先に行っていた。ただし、早い時点で彼をオーバーテイクしていても、集団と同じペースで走ることは難しかったかもしれない。コーナーでワイドになってしまい、マシンと格闘することになったが、最後までプッシュし続けた。僕にとって地元のラグナセカでペースが上がらないと余計にフラストレーションを感じてしまう。この状態で３週間の休みに入るのは本意ではないが、休み明けのインディアナポリスでは流れを変えたい」

バレンティーノ・ロッシ／リタイア

「表彰台争いをしていたわけではなかったが、終盤にクラッシュしてレースを終えるのはやはり悔しい。ずっとオープニングラップのつもりで走っていたものの、クラッシュ時点のペースはそれほど速くはなかった。コークスクリュー手前でマシンを直立させた状態でブレーキングに入った瞬間、フロントのグリップを失ってしまった。シルバーストンのクラッシュと似たところがある。今回もフロントタイヤを的確に機能させられなかった。30周走った後も、まるでニュータイヤのようにグリップが出ない。クラッシュはかなり激しかったが、身体にダメージがないのは幸いだった。良い週末とは言えなかったが、これから短い夏休みに入る。休み明けのインディで状況がどう変わるか、まずはそこを見極めたい」

ヴィットリアーノ・グアレスキ／ドゥカティ・モトGPチーム・チームマネージャー

「ニッキーのスタートは残念だった。バウティスタと接触したために、上位陣について行くチャンスを失った。バウティスタはニッキーより若干遅かったが、パスするのに手間取ってしまった。その後は、スピーズ、クラッチロー、ドビツィオーソらと同等のペースで走行したが、いかにニッキーとはいえ、あの状況で差を詰めるのは容易ではない。いずれにしても、チームとして今週末は厳しい状況だった。ニッキーのレースパフォーマンスはフリー走行より良かった。バレンティーノには、残念ながらトラブルが発生し、このサーキットを攻略するための状況を用意することができなかった。特に的確な前後バランスが見つからなかった。リアのグリップが高すぎる割に、フロントは十分に機能していないという状態だった。もう一度データを見直し、インディアナポリスに備えたい」