DUCATI 6モデル一気乗り・ディアベルカーボン
- 掲載日/2012年10月12日【トピックス】
- 文/友野 龍二 撮影/大谷 耕一、山下 剛 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
内に秘めたるスポーツ性能こそ最大の魅力
新たな時代の幕開けを告げるモデルの誕生
ディアベルを初めて目にしたとき、あまりの低さと長さ、そしてリア 240 サイズの極太タイヤを履く姿から受けた印象は、迫力こそあるものの、スポーツ性を微塵も感じられず、『なぜドゥカティがクルーザーを?』と、疑念を抱いたが、実際に走らせてみると良い意味で意外性の塊であった!
足つき性の良い車体とアップライトなポジションにより、タウンユースやツーリングが快適なのは言うまでもなく、さらにライド・バイ・ワイヤによる電子制御スロットルはアーバン (100馬力)・ツーリング (112馬力)・スポーツ (112馬力)の3つの走行モードを有し、ムルティストラーダと同じくエンジンフィーリングを変更させることが可能である。そして、トラクションコントロール (DTC)・ABS・スリッパークラッチ・ブレンボ製モノブロックキャリパーなど、走りの質を高める装備にも抜かりはなく、スポーツ走行も意外なほどサラリとこなす。
ネイキッドの場合、高速道路走行時に胸元からの巻き上げ風によって顎が持ち上げられる不快な力が働くことが多い。だが、ディアベルはヘッドライトカバーの巧みな整流効果によって巻き上げ風を抑制し、快適性を損なわないようにデザイン性と実用性を両立させている。急加速時においては日本仕様と言えども、軽々とフロントを持ち上げようとするスーパーバイク譲りの 1200cc テスタストレッタエンジンは瞬間的にライダーを後方へと置き去ろうとするが、その際も座面後部が極端に切れ上がったシートが下半身のストッパーとなってくれる。そのため姿勢を乱されずに済む点など、スポーツライディングも躊躇なく行えるための工夫が随所に織り込まれている。
新たな時代の幕開けを告げるべく誕生したディアベルが、瞬く間に世界中でベストセラーモデルとなったのもうなずける。所有欲を満たす存在感と、内に秘めるスポーツ性。そんな意外性を好み、常に心に余裕を持った大人の走りを愉しむには最適なパートナーである。
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