DUCATI 6モデル一気乗り・ハイパーモタード1100EVO SP
- 掲載日/2012年10月12日【トピックス】
- 文/友野 龍二 撮影/大谷 耕一、山下 剛 構成/VIRGIN DUCATI.com 編集部
新たなジャンルを確立させた
ドゥカティのオリジナルモデル
1980 年代にアメリカで流行したバイクレースの異種格闘技戦となるスーパーバイカーズ。その戦いがヨーロッパへと伝播し、レギュレーションが明確化されたスーパーモタードへと発展したのが 1990 年代のこと。オフロードマシンに小径 17 インチホイールとオンロードタイヤを履かせ、アスファルトとダートが混在するコースで競われるレースは、フランスを起点に瞬く間に世界各国へと広まり、メーカー純正のモタードモデルも相次いで発表されていった。
しかしドゥカティには、そもそもベースとなるオフロードモデルがラインナップされていない。そこで、オンロードに特化した独自のモタードを誕生させたのである。伝統の空冷Lツインエンジンを鋼管トレリスフレームに抱かせ、高い動力性能を得たことにより、モタードマシンが苦手とした高速域での操縦安定性を手に入れた。フラットで前後に長いシートや高められた車高など、モタードスタイルを一部踏襲するものの、他に類を見ない斬新なパッケージと先鋭的なデザインは、新たなジャンルの確立を予感させるものであった。
2005 年のプロトタイプ発表から7年が経過したが、エッジの効いたデザインは今なお輝きを失わず、やっと時代が追いついてきた感すらある。搭載されるエンジンや各装備は年々ブラッシュアップされ、今回試乗した 1100 EVO SP に至っては車体全体で6kgもの軽量化を果たし、エンジン出力は5馬力引き上げられ 95 馬力となっている。さらには、オーリンズ製リアサスペンション、マルケジーニ製鍛造アルミホイール、ブレンボ製モノブロックキャリパーなど、一流パーツが惜しみなく投入されている。前を走る乗用車の屋根越しに大きな視界が開けるほど高いアイポイントが生み出す運動性の高さは群を抜いており、S字の切り返しでは目前の景色が斜線に映るほど豪快で鋭い切れ味を見せる。この異質ともいえる軽さと強烈な刺激は、ハイパーモタードでしか味わえない。
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