試乗インプレ【予告編】スーパーバイク1199 パニガーレS
- 掲載日/2012年10月29日【トピックス】
- 取材協力/Ducati Japan 取材・写真・文/小松 男
フロントのダブルライトは、二輪量産車としては世界初となるフル LED を採用。十分な光量で、夜間走行も安心だ。その下にはモノコックフレーム (エアボックス) へと繋がるエアインテークが配置される。
勝つために生み出されたサラブレッド
ただし今度のスーパーバイクモデルは一味違う
プレミアムスポーツバイクブランドであるドゥカティ。そのドゥカティを語る上でレーサーレプリカであるスーパーバイクモデルは欠かせない存在です。ドゥカティ初のモーターサイクルとして有名なクッチョロ (1946年) にしても、1948 年にはレーサーベースとなるスポーツバージョンのT2を作り上げ、1950 年からはドゥカティ社としてレース活動を開始し数々の勝利を収めました。そんなドゥカティのイモラやマン島TT、そして MotoGP や WSBK など世界中のレースでの輝かしい歴史はファンならずとも知るところです。
ドゥカティの作り出す最新のス-パースポーツは最強でなければなりません。その命を受けて登場したのが 1199 パニガーレなのです。新開発されたスーパークアドロエンジン、長く続いてきたドゥカティのアイデンティティでもあるトラスフレームの廃止など、これまでの概念を覆す 1199 パニガーレは、世界中のスポーツバイクファンを虜にするために生み出されました。
フォトTOPICS(写真点数/14枚)
01ディアベルの燃料タンク上部のファンクションメーターと、ハンドルマウントメーターの機能をひとつに纏めたような TFT メーター。カラー表示で、必要な情報が瞬時に読み取れる。ライディングモードはもちろんラップタイムなども表示。表示の仕方に遊び心があり、見るだけでも楽しい。
02左側のスイッチには最近のドゥカティで採用しているマルチファンクションタイプを装備。設定できる項目が細かいため、使いはじめこそ戸惑うが、すぐに慣れる程度のもの。スーパースポーツバイクは、電子制御勝負の時代に突入している。
03右側のスイッチはスターターのみが備わるシンプルなもの。エンジン始動のクランキング時間が長めなので、やや長押しして掛けよう。スロットルはライドバイワイヤータイプ。セッティングも手馴れた感があり、右手の些細な動作に忠実についてくる。
04S/Sトリコロールのグレードには、電子制御式オーリンズ NIX30 サスペンションが装備される。フルアジャスタブルタイプのφ43mm。コンプレッション及びリバウンドの電子制御が可能となっている。
05エッジをやや丸めた感じのする燃料タンク、容量は 17L。丸みを帯びた分、ハードブレーキング時に体を支え難い印象があったが、それはそれで、最近のスポーツライディングスタイルのトレンド的なものなのだろう。
06825mm のシート高は、スーパースポーツバイクらしく決して低いとはいえないものだが、シート前部をシェイプしているために、足つきはさほどスポイルされていない。薄く硬いシートなので長時間のライディングには不向きか。
07シングルシートカウルを外すと、小スペースながら小物入れがあり、タンデムベルトや工具、データロガーのコンセントなどが収まっている。ETC ユニットを設置するには十分なスペース。財布、タバコ、携帯、ETC でちょうどか。
08シートカウルのデザインとして設置された特徴的なテールランプ。シートカウルの空気口にあわせたデザインだ。もちろん LED を採用し、後方からの視認性も高い。ライセンスプレートを支持するステーの脱着も容易で、即サーキット走行を楽しめる。
09フロントサスの美しい造詣のボトムケースに、ラジアルマウントされるブレンボ製モノブロックキャリパー M50。従来のキャリパーと比べ7%の軽量化をし、傍から見てもコンパクトなものと分かる。ストッピングパワーは強烈。なお日本仕様には全グレード ABS 標準装備となる。
10日本仕様にはエンジン右側に、樹脂カバーが装着される。これは日本の厳しい騒音規制に対応した処置。けたたましいサウンドこそドゥカティ、最強のスポーツバイクの証とも思えるのだが、世の中的には NG のようだ。
11デザインと機能面を上手く融合させたステップ周り。かなり後方かつ上方にセットされている。クラッチレバー操作を行わずシフトアップが可能な DQS (ドゥカティ・クイック・シフト) を装備。スロットルを開けてシフトペダルを蹴り上げればレーシーな気分を堪能できる。
12S/Sトリコロールに装備される電子制御式オーリンズ TTX36 サスペンション。プログレッシブリンクタイプで、初期動作はスムーズに、奥ではしなやかに踏ん張るといった感触。サーキットなどでのスポーツ走行時、トラクションのインフォメーションが良い。手元のスイッチで調整できるのも便利だ。
13エンジンカバーと同様に、日本の騒音規制をクリアするために開発されたサードマフラー。本国仕様のエンジンにサイレンサーを置くタイプで規制を通すには、かなり出力を落とさなくてはならなかったに違いない。短い期間で日本にあわせた仕様を作り上げたことに脱帽する。
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