VIRGIN DUCATI | 【海外試乗速報】ムルティストラーダ1200エンデューロ メディア向け発表会 トピックス

【海外試乗速報】ムルティストラーダ1200エンデューロ メディア向け発表会

  • 掲載日/2016年04月18日【トピックス】
  • 取材協力/Ducati Japan  文/松井 勉  写真/Ducati
【海外試乗速報】ムルティストラーダ1200エンデューロ メディア向け発表会の画像

地中海に浮かぶイタリア、サルディーニャ島がムルティストラーダ・エンデューロを試乗の舞台。舗装路150キロ、ダート路70キロを午前、午後に分けがっつり走ります。宿泊したホテルの中庭には、希望峰、ゴビ砂漠、ダカールなど、冒険ツーリングの目的地を示す道しるべなど演出もありました。

ダートでの走破性は想像以上
その名に恥じない本格的なモデル

Moto GP、SBKでの強いプレゼンスと薫香。その技術とデザインでファンを刺激するドゥカティ。スポーツバイクに加え、ディアベルやスクランブラーでライフスタイルへの力感も入れつつあります。

そんな彼らが送り出したアドベンチャーモデル、ムルティストラーダ1200エンデューロ(以下エンデューロ)に乗ってきました。

昨年3代目が登場したばかりのムルティストラーダをベースに、前後に30mm長いストロークを持つサスペンション、前後17インチのワイドラジアルタイヤから、フロントを19インチに大径化、リアは17インチのままタイヤ幅を2サイズダウン。30Lの容量を持つビッグタンクの採用など、エンデューロは、ダート向けタイヤの選択肢が広がり、どんな道でもユーサビリティーを上げ地球規模のツーリングバイクへと仕立てられています。

舗装路での快適な乗り心地と高速でも安定感を両立。峠道では長いストロークがもたらすピッチングを、ライディングモードの切り替えで好みに変更すれば意のままの走りを手にできました。

注目はダートでの走りで、もう想像以上。ドゥカティにこんなオフ魂があったとは! ムルティストラーダ史上初となる本格アドベンチャーですが、後発ながらライバルにも負けない走りに驚いた試乗となりました。

フォトTOPICS(写真点数/19枚)

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01夕方、カクテルアワーのあとに行われるのが慣わしのニューモデルの技術説明会。多くの時間を割いたオフロードでのテストは、モトクロスコースだけで1万キロ以上になったという。荒れ地を走ることへの拘り、通過するだけではなく楽しめること。開発したエンジニア達の思い入れもたっぷり聞かせて貰いました。
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02装備は2015年に登場したムルティストラーダ1200Sに準じたもの。LEDライト、セミアクティブサス、LCDモニターを使ったダッシュパネルを装備。前後サスのストロークアップにより、最低地上高も31mmアップ。リアスイングアームは片持ちから両持ちへ。エンジンは可変バルタイ搭載のテスタストレッタDVTを搭載。スペックは他のムルティストラーダと同様だ。
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03スーパーバイク由来のテスタストレッタエンジンに吸排気カムともに装備する可変バルブタイミングを装備することで、2000回転を割るような低回転からスムーズな回転とトルクデリバリーを発揮。1速ギアレシオを低速に振っているのも特徴。ファイナルレシオも低められている。
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04φ320mmのディスクプレートと対向4ピストンキャリパーを備えるフロントブレーキ。クロススポークによりチューブレスリムとなったホイールに120/70R19を履く。30mm伸びたストロークによりビギニングから上質な乗り心地を伝える。オン、オフともに高い性能を見せた。
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051200、1200Sなどより35mm全長を伸ばし片持ちから両持ちとなったリアスイングアーム。後輪は170/60R17と細身に。リアサスペンションも200mmのストロークを持つ。φ265mmのディスクプレートと対向2ピストンキャリパーを備える。新たに坂道などで一定時間ブレーキ液圧を保ってくれるビークルホールドコントロール機能が備わった。
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06車体のバンク角によって最適なブレーキ制御をするコーナリングABS、坂道発進時など、レバー、ペダルを強く踏めば、一定時間ブレーキ効果を維持し、坂道発進時に威力を発揮するビークルホールドコントロールを含む最新電子制御技術を搭載したエンデューロ。ABSの制御はボッシュ製の最新モードのECUを採用する。
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07ミラーステーもエンデューロ用に角度を変えた専用パーツとなる。オフロードでのスタンディングを意識した部分。こうした細やかな配慮の積み重ねがアドベンチャーセグメントのバイクを本格派にする。スイッチ類はファミリー共通。ハンズフリーキーによりメインスイッチはスターターボタン下のスイッチを長押しでバイクが起動する。
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085インチサイズのTFTカラーモニターを備える点も1200S同様。Bluetooth経由でライダーのヘッドセット、バイク、スマホをコネクトし、電話やメール着信時にモニター上に送信相手がアルファベットで表示されたり、楽曲名を表示できたりする。楽曲変更やボリューム操作などハンドルスイッチからスマホを操作する事も可能。
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09ウインカー、ホーンといった基本的なスイッチの他、クルーズコントロール、ハザードスイッチなどが備わる左スイッチボックス。グリップから近い上下キーで、モード等を選択、右側にクリックすることで決定、と走りながらバイク、スマホとインタラクティブに走ることができる。
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10ライディングモードの切り替え画面。スポーツ、ツーリング、アーバン、エンデューロと走行場面に応じて走行中でも切り替え可能。それぞれのモードでスロットルレスポンス、ABS、トラコンの介入具合、サスペンションのダンパー特性などが切り替わり、ムルティストラーダが標榜する4 Bikes in 1を体現する。
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11快適な乗り心地のサスペンション、ライザーとハンドルベンドで50mm高くなったグリップ位置により、タイトな峠での旋回性は前後17インチのムルティストラーダに一歩譲るが、ライディングモードを積極的に変更してスポーツを選択すれば減衰圧、アクセルレスポンスが素早くなり走りにタイトさが出てバイクそのものがコンパクトになる印象を受けた。
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12ムルティストラーダ1200エンデューロの持ち味はオフロードでの走破性を高めたこと。絶対速度が舗装に比べて低いオフロードでは低いギアを使う場面が多く、容量の大きなタンクの採用はこうした用途にも対応したもの。写真の一台にはピレリ・スコーピオンラリーというオフに強いタイヤを装着。今回、オフロードセッションでもこの仕様で走らせた。
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13前輪からの跳ね返りを抑えるノーズセクションも延長されている。1200Sはノーズセクションをボディー同色とするが、このエンデューロでは着色樹脂のままワイルド感を演出。ラジエーターコアの前に装着されるガードはオプションのもの。アドベンチャーモデルの用品造りに長けたツラーテックが純正オプションを製作する。
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14前後17インチの1200Sは前後170mmのサスストローク。エンデューロは前後200mmへと伸ばしている。ドゥカティ・スカイフック・サスペンションEVOと名付けられた新世代セミアクティブサスを装備するが、その動きは自然。30mm伸びた余裕をビギニングエリアの吸収性の良さに振り分けている。
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15エンデューロのシート高は本国仕様で870mm。国内仕様はローシートを採用する計画だという。1200Sは825mm/845mmの調整タイプ。最低地上高が31mm上がっている点、前輪が大径化している点などラフロード性能を高めた結果だが、シート形状がよく足付き製は悪くない。肉厚で長距離で快適なシートだ。
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16サスペンション、ディメンションの最適化によりオフロードでの接地性、安心感が高い。低い回転域からトルクフルなエンジンとのマッチングでダートでの走りは楽しい。デフォルト設定のエンデューロもなかなかだが、エンジンマップをよりダイレクトな方向シフトとするだけで、後輪と右手がより密着したような走りを見せてくれる。遠慮無く楽しめるのが嬉しい。
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17パックオプションとしてツーリングパックには、ドゥカティパフォーマンスby ツラーテック製アルミパニア(右40L、左45L)、ツラーテックハンドルバーバッグ、グリップヒーターをセット。スポーツパックはドカティパフォーマンスbyテルミニョーニ製チタンマフラー、アルミ削り出しリザバータンクカバー(クラッチ、ブレーキ用)、ウォーターポンプカバーをパックに。
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18アーバンパックには、ツラーテック製アルミトップケース(38L)+マウント、燃料タンクキャップマウントにキャッチレールを装着するタイプのタンクバッグ、そしてUSBソケット電源のアウトレットからタンクバッグに使えるようにする延長コードがパックになっている。
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19エンデューロパックにはタンク周りを守るツラーテック・クラッシュバー、そして飛び石などからオイルクーラー、ラジエターのコアを守る、ツラーテック・オイル&ラジエタープロテクター、左右二つのフォグライト、リアディスクガード、スイングアーム下側に装着するチェーンガイドをパックとしている。

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