3月の発売が迫ったドゥカティの新型ムルティストラーダV4に搭載されるV4グランツーリスモ・エンジンのメディアテクニカルワークショップ
- 掲載日/2021年02月26日【トピックス】
- 取材協力・写真/ドゥカティジャパン 写真・文/成田 恒一

すべてが必然のニューエンジン
新開発のV4グランツーリスモ
2021年3月に発売が予定されているドゥカティの新型ムルティストラーダV4。第4世代モデルとなるこのムルティストラーダV4に搭載されている新開発のV4グランツーリスモ・エンジンのメディアテクニカルワークショップが2月16日(火)にドゥカティジャパンで開催された。
このエンジンはムルティストラーダV4のために設計されたもので、その基本レイアウトはデスモセディチ・ストラダーレと共有しているのだが、全く新しいバルブ駆動システムであるスプリング・バルブ・リターン・システムを採用することにより、メンテナンスサイクルを60,000kmにまで伸ばすことに成功。この主たる要因は、ドゥカティ伝統のデスモドロミック・システムのノウハウが豊富にフィードバックされているという点にある。
V4グランツーリスモ・エンジンは、とくに低回転域でのスムーズさを実現しており、デスモセディチ・ストラダーレの最高出力214PS@13,000rpm、最大トルク124Nm@10,000prmに対し、170PS@10,500rpm、125Nm@8,750rpmと、最高出力は劣るものの、その発生回転数が10,500rpmに抑えられているところが大きなポイントとなっている。最大トルクに関してもそれは同様である。もちろんユーロ5規制にも適合している。
V4グランツーリスモ・エンジンのさらに注目すべきは、そのコンパクトさにある。下の画像を見ていただければ一目瞭然であるが、ムルティストラーダ1260と比べ、ムルティストラーダV4はエンジンの高さで-95mm、エンジン前後長で-85mm、エンジン幅で+20mm、エンジン重量で-1.2kgを実現。この軽量コンパクトなエンジンを車体中央近くの理想的な位置に搭載し、マシンのコントロール性を飛躍的に向上させることに成功している。加えてフォルムが見直されたコンパクトなサンプガードの恩恵で最低地上高が上げられたにも関わらず、シート高は抑えられている。
バルブはデスモドロミックとは異なり、バルブクロージング・スプリングを使用し、フィンガーフォロワータイプのロッカーアームを採用し、バルブクリアランスのメンテナンス周期は驚愕の60,000kmを実現。専用設計されたカムローブ・プロファイルとバブルリフト量を持つカムシャフトが装備されている。エンジンオイルのメンテナンスプログラムはオイルフィルターを含めて15,000km毎、または2年周期となっている。
プラグはNGK製のイリジウムプラグを使用することにより耐久性の向上を実現。その交換サイクルは60,000km毎となっている。またリア・バンク休止機能も搭載されており、ライダーの快適性と燃費の向上も図られている。
そして現在、3月の発売を前に「新型ムルティストラーダV4先行予約キャンペーン」が3月7日(日)まで開催されている。キャンペーン期間中の先行予約で3万円分(税込)のクーポンがプレゼントされることになっているのでお見逃しなく!
V4グランツーリスモ・メディアテクニカルワークショップの冒頭では、ドゥカティジャパン株式会社の代表取締役社長、リンドストローム・マッツ氏による新型ムルティストラーダV4の商品説明が行われた。
続いてアフターセールス部ディレクターの森 大樹夫氏により、V4グランツーリスモ・エンジンの技術説明が行われた。
ドゥカティジャパン本社1Fには海外仕様車ではあるが、新型ムルティストラーダV4Sが展示され、各ディテイルや足つき性などの確認が行われた。気になる価格は、ムルティストラーダV4Sが288万円〜、V4S SPORTは347万円〜となっている。

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