第7回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会 ドゥカティブースレポート
- 掲載日/2022年04月27日【トピックス】
- 取材協力/ドゥカティジャパン 写真・文/小松 男
イタリアンブランド「ドゥカティ」
珠玉の最新スポーツモデルが目白押し
ウェブや雑誌媒体など様々なメディア関係者に向けて行われるイベント、第7回JAIA輸入車二輪車試乗会・展示会が、2022年4月13日(水)~14日(木)の2日間に渡り、大磯ロングビーチにて開催された。日本へ輸入され販売されている世界各国のバイクブランドの最新モデルが一堂に集い、しかもその車両を実際に試乗することができる。そんな中、スポーツバイクを専門に手掛けているイタリアンブランド「ドゥカティ」も本イベントへ参加。ドゥカティとスクランブラーの最新モデルラインナップを展示した。
今回集められた車両はムルティストラーダV4S、パニガーレV4S、ストリートファイターV4S、モンスター プラス、スクランブラー ナイトシフト、パニガーレV2ベイリスの計6モデル。2022シーズンではこれからパニガーレV4S、そしてストリートファイターV2の新型が上陸することになっており、今期のドゥカティも勢いが止まらない。
ドゥカティブースの様子を紹介するとともに、試乗テストを行ったスクランブラー ナイトシフトのプチインプレッションをお届けする。
初代モデルの登場から30年近くの年月が経った今も高い人気を誇るドゥカティのネイキッドモデル、モンスター。4代目に数えられる現行モデルではトレリスフレームを捨て、水冷エンジンを搭載。まさしく新生モンスターと言えるパッケージとなっている。
メーカー内の一つのブランドとして扱われているドゥカティ スクランブラー。現在はスタンダードモデルのアイコンからオフロードスタイルのデザートスレッド、さらに1100エンジンモデルまでラインナップする。イベントにはカフェレーサースタイルにまとめられたナイトシフトが用意された。
前方を走る車両を追従するレーダーシステムをはじめ最新のテクノロジーが惜しみなく使われたドゥカティのアドベンチャーモデル、ムルティストラーダ。V2、V4それぞれのエンジンを搭載するモデルがあるが、今回はV4Sが並べられていた。パニアとトップケースも装備された旅仕様だ。
新しいストリートファイターV2が発表されたが、パワフルでダイナミックな走りを楽しむのであれば、従来のストリートファイターV4Sグレードの方が一枚上手。スーパーバイク譲りのハイカロリーエンジンと、それをストリートで扱うために鍛えられたシャシーの組み合わせは凶暴、かつしなやか。
ドゥカティと言えばスーパーバイクモデルが頭に浮かぶ方も多い。現在ではモトGP、WSBKの最高峰レース参戦モデルがV4エンジンを採用するようになった。その市販バージョンとも言えるパニガーレV4Sのパフォーマンスは、ストリートはもとよりサーキット走行も楽しみたい。
スクランブラー ナイトシフト プチインプレッション
ディテールまで拘った
カッコつけスクランブラー
60~70年代にかけて欧米で大ヒットとなったドゥカティスクランブラーをオマージュしたリバイバル版として現在のドゥカティスクランブラーが登場したのが2015年のこと。様々なライフスタイルに寄り添った新しいタイプのドゥカティとして登場したニュースクランブラーシリーズは人々に受け入れられ、モデルレンジを広げていった。ナイトシフトはその中で都会的なカフェレーサーという佇まいを持つモデルだ。
ドゥカティ伝統のデスモドロミック空冷Lツインエンジンを搭載、排気量803cc、最高出力は73馬力と扱いやすいスペックながら元気の良いフィーリングであり、それでいて急かされているような気分にもさせない。それは楽しさに溢れるもので、走り出したとたんに頬が緩んでしまう。それにコンパクトに纏められているので、小柄な体格のライダーでも心配することはないだろう。
フロント18、リア17インチというタイヤサイズやダートトラック風パターンのタイヤということもあり、キャラクターのあるハンドリングだ。これはカフェレーサーとスクランブラーのミクスチャーというナイトシフトの本質として感じられるものだ。
何にせよ一文字バーハンドルやゼッケンプレート、ワイヤースポークホイール、コンパクトなLEDウインカーなど、ディテールまで徹底的にカッコをつけていることが分かり、それがなんとも気分良く走らせることを後押ししてくれる感じである。走りに関して十分なポテンシャルを持ち、さらにどこを走らせても似合うスタイリッシュなデザイン、長く付き合うことができそうな一台であり、車両価格138万9000円はお買い得だと思える。
排気量803ccの空冷デスモドロミックLツインエンジンを採用。絶対的なパフォーマンスは持さないものの、気持ちよく刺激的なツインエンジンを作らせたらドゥカティの右に出る者はいないと感じさせるフィーリングだ。
ワイヤースポークホイールにピレリMT60RSタイヤをセット。フロントは110/80R18、リア180/55/R17サイズとなっている。ブレーキはシングルディスクだが、軽量な車重ということもあり、制動力に不足は感じられない。
シートカウルの後端に埋め込まれたテールランプユニット。ライセンスプレートホルダーが別体となっていることもあり、短くスポーティなイメージを持つテールセクションとなっている。ウインカーの小ささにも注目。
ほぼ一文字の形状とされたワイドバーハンドルは、オンロード、オフロード問わず車体をコントロールしやすい。バックミラーはバーエンドタイプが採用されている。スマートな見た目と、広い後方視野を両立している。
ダートトラックレーサーなどのゼッケンプレートをモチーフとしたサイドカバー。自分の好むナンバーを描いても良いだろう。ドゥカティスクランブラーは走りだけでなく、デザインにも徹底的にこだわっている。
ライダーとパッセンジャー側をほぼフラットな座面とした形状のシートには、タックロール風のパターンが施されている。クッション性も高く乗り心地も良い。着座位置の自由度が高いので様々な体格のライダーに適している。
LEDデイライトを周囲に配置したヘッドライト。オーソドックスな丸型ライトケースでいながら、モダンな印象を受けるデザインとしてくるのはドゥカティスクランブラーらしい。ナイトシフトは夜に映えるバイクだ。
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