第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会 ドゥカティブースレポート「スクランブラー フルスロットル」ショートインプレあり
- 掲載日/2024年05月04日【トピックス】
- 取材協力/ドゥカティジャパン 写真・文/小松 男
最高峰ロードレースで圧倒的強さを見せる
地上最強スポーツバイクブランド「ドゥカティ」
今年も大磯ロングビーチにて2024年4月10日、11日の2日間に渡り、第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会が開催された。ウェブや雑誌媒体など様々なメディア関係者に向けて行われる恒例イベントであり、たくさんの最新輸入バイクを一度に触れることができる機会とあり、今回も業界関係者で賑わいを見せた。ここではその中からイタリアを代表するスポーツバイクブランドである「ドゥカティ」のブースを紹介する。
ドゥカティと言えば、MotoGP、WSBKという二つの最高峰ロードレースにおいてダブルタイトルを獲得しておりフルカウルスーパーバイクの性能は折り紙付き。それだけでなく大陸的アドベンチャーモデルのムルティストラーダや、スポーツクルーザーのディアベル、ネイキッドモデルの老舗看板モンスター、さらには登場が待たれるシングルエンジン採用の新ハイパーモタード698モノなどなど、トピックス、ニュースの枚挙にいとまがない。
ドゥカティブースに展示された車両と併せてドゥカティ スクランブラー フルスロットルのショートインプレッションをお届けする。
新開発のシングルエンジン、デスモドロミック・スーパークアドロ・モノを搭載するハイパーモタード698モノを展示。任意でドリフト走行を可能にするスライド・バイ・ブレーキ機能も備えており、いま注目すべき一台。
V4エンジンを搭載し、もはやクルーザーというカテゴリーを超越した存在となったディアベルV4。迫力あるデザイン、圧巻の走行性能どちらも他の追随を許さない唯一無二のスーパーカー的モーターサイクルだ。
90年代からドゥカティの看板モデルとして続いてきたモンスターの系譜。最新モデルは扱いやすくも強烈な走りを楽しめる。今回のJAIA試乗会でのドゥカティブースでは、このほかニュースクランブラー系を中心に展示していた。
スクランブラー フルスロットル プチインプレッション
スニーカー感覚で使える
ライトウエイトスポーツモデル!
ドゥカティがスクランブラーブランドを立ち上げてから約10年の年月が流れ、ついにフルモデルチェンジを行った。ニュースクランブラーはスタイリングこそ従来モデルの雰囲気が踏襲されているものの、エンジン、フレーム、足まわりすべてが新設計となっており、中身は別物と言える程進化していると聞き、登場前から気になっていたのだが、ついに日本にも上陸し、今回試乗する機会を得た。
JAIA試乗会のドゥカティブースでは、アイコン、フルスロットル、ナイトシフトの3モデルのスクランブラーが並べられた。アイコンはスタンダードモデル、フルスロットルはスポーツ志向、ナイトシフトはスタイリング重視という位置づけであり、私はその中からホットバージョンにあたるフルスロットルを選んだ。
車体に跨ると、低いシートとアップライトなハンドル位置でかなり安楽なライディングポジションであることが分かる。全体的にコンパクトにまとめられているので、取り回しもかなり楽に行える。これなら非力なライダーや体格に自身が無い人でも容易に扱うことができるだろう。
ただ走り出すとやはりスポーツバイクブランド、ドゥカティの血統が色濃く反映されていることが分かる。伝統的な空冷Lツインエンジン特有の吹け上がりやサウンドは、少し走らせるだけでも心地よさが伝わってくる。新型ではライドバイワイヤを採用しており、ライディングモードが選択できるうえに、よりスムーズなエンジンフィールを体感できる印象だ。
テルミニョーニのエキゾーストシステムや、他モデルではオプション設定とされているクイックシフターが標準装備となっているのもお得感があって嬉しい。フロント18、リア17のタイヤサイズは、クラシカルとモダンの中間を行くハンドリングをもたらしてくれ、新たなサスペンションセットと相まってストリートでもワインディングでも快活な走りを楽しむことができた。全体的に旧モデルと比べてアップデートされていることを体感できるので新たなユーザーを増やすだけでなく、買い替えするオーナーも多いことだろう。
全体の約70%のパーツをアップデートして登場した新型スクランブラー。フルスロットルグレードはフラットトラックレーサーをインスパイアして開発されたスポーティなグレードとなっている。
排気量803ccの空冷Lツインエンジンを搭載。エンジンマネジメントの進化は如実に伝わってくるもので、スムーズな吹け上がりと、軽量かつパンチ力のあるパフォーマンスを楽しむことができる。
スクランブラー フルスロットルにはMotoGPやWSBK参戦マシンでも多く使われているテルミニョーニ製のショートタイプマフラーが標準装備。Lツインならではの歯切れの良いエキゾーストノートを奏でる。
シート高は795mm。足つき性は良好で、車重も軽いため扱いやすいと感じる。フラットな座面は自由度が高い上タンデムライドも快適。810mmのハイシート、780mmのローシートをオプションで設定している。
シンプルなメーターディスプレイは視認性が良く、インフォメーションも伝わりやすい。スロットルがライドバイワイヤとなり、ライディングモードの選択ができるようになった。
スクランブラーのクロスデザインを大胆に用いた丸型ヘッドライト。ストリートに映えるデザインとされていることもスクランブラーシリーズの大きなポイントだ。
他のニュースクランブラーではオプション設定となっているドゥカティクイックシフトは、フルスロットルでは標準装備となっている。クラッチレバー操作自体は軽いが、シフターがあればさらに快適だ。
旧モデルでは車体サイドにセットされていたリアサスペンションが、車体中央に寄せられた。これは大きな変更点で、スポーツライディング時の左右のヨレが軽減している。
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ドゥカティ人物辞典
Carl Fogarty (カール・フォガティ)